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北海道の旅の話

ニューヨークから成田に着いて翌日から次のライブまでの間、日にちが空くので、北海道に行くことにした。東京はホテル代がバカ高いってのと、マンハッタンで暮らし、東京に来ると、いよいよ自分が都会疲れしてることに気づく。

まるでキャバクラに入ったかのようになにもかもが真っ赤な口紅をし、化粧をしている。全てが商品なんだ、人や、ビルや、食べ物が「私を選んで」と、アピールしてくる。沢山人が集まる場所はマーケットだ、僕たちを吸い上げ続け、それは成り立ってる。 

しかし田舎はいい、何十年もやってる街のラーメン屋、ただそこにある自然、彼らはほっといてくれる。都会疲れした時は北海道で何時間も電車に揺られ好きな音楽とおいしいコーヒーをタンブラーに入れて考えことをするのが一番好きな時間だ。そして、たまに駅を降りて、話せる友達に会いに行く。

彼らはぼくを使わないし、ぼくは彼らを使わない。僕は初日は函館に行くことにした、羽田から約1時間、到着した函館の風はとても気持ち良く、海沿いの街で風は冷たいけど風で体が洗われるかのような綺麗な風だった。ニューヨークと気温は同じぐらいに感じたけど大麻としょんべんの香りがする僕が住むマンハッタンとは大違いだ。函館では、会いたい人たちに会えた、翌日朝から帯広に行こうと思った、帯広までは、南千歳まで、3時間、そこからまた3時間ほど、電車に揺られる。

遠い、と感じる人はいるかもしれないけど、僕にとってはタンブラーのコーヒーがなくなることだけが心配の種だ。しかし、ニュースが流れてきて、函館に向かう貨物列車が脱線して、復旧のめどがたってないとのこと。函館にいる友達が、車があるというので電車が走ってる長万部まで、送ってくれることになった。

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村本大輔のNEWYORK日記

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