読書メモ(大型商談を成約に導く「SPIN」営業術
◆感想
・大型商談において質問のオープンクローズやクロージング頻度など従来重要視されていたものではなく、調査段階にいかに時間を割くか、示唆質問をいかに多くするかが重要であることに驚いた。また、スポーツ以外で知識ではなくスキルの習得の場面が少ないと言う指摘も非常に腑に落ちた。
◆作者と概要
・作者はニールラッカム。シェフィールド大学の行動経済学の研究者となった後ハスウェイト社を設立。商談の研究を行う。本書では大型商談成功に重要なもには何か、そしてそのスキルを重要視するのに重要なことは何かが大切である。
◆良かったインプットメモ
・商談は①予備段階②調査段階③解決を示す段階④約束を取り付ける段階 に分けられる。
・予備段階では特にこれといったやり方はないが一流の営業マンは同じやり方で始めない。場合によって使い化けるべき
・調査段階ではSPINに乗っ取って質問することが大切である。大型商談ではオープン、クローズの質問はそれほど有効ではない。
・小型商談では多くの潜在ニーズを発見することが商談の成功率をあげる上で重要であったが大型商談では多くの潜在ニーズを発見することは重要ではなかった。代わりにそれをどう料理するかの方が重要であった。解決できるものの個数ではなく解決できる問題の重要度が重要であるため、潜在ニーズを顕在ニーズにすることが大切である。
・うまくいった商談と行かなかった商談を5つずつピックアップし潜在ニーズ、顕在ニーズの個数をそれぞれ比較することで自社のマーケットがこれらの個数をバイナルシグナルに設定すべきかわかる
・問題質問は営業マンの経験が最も出やすい部分である一方、どの分野でも専門家は問題質問が得意な傾向がある。
・自社で解決できる課題のみ示唆質問をするべきである。解決できない領域で示唆質問をするとクロージングの成功率が著しく下がる
・特徴を訴求しすぎると顧客は価格に目が行きやすくなる。
・小型商談では商品がどのように使えどのように見込み客の役に立つかという利点を伝えることが有効だが、大型商談では顕在ニーズにサービスがどのように応えられるかという利益解くことが大切である。
・顧客からの反論が多いほど商談成功率は下がる。応酬話法は過去の手法である。大型商談では①主な懸念事項を取り上げたか確認する②利益をまとめる③無理のないレベルの提案をするが大切である
・実践において①一度に改善するのは1つ②少なくとも3回は試してみる③質より量④練習は安全な場所でが大切である。