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【おすすめ本も紹介】インド採用市場の特徴を解説
はじめに
メルカリの採用担当として日々海外採用に携わっています。メルカリがインドに拠点を構えたこともあり、日本本社でインド人を採用するだけでなく、インド現地で採用をする機会も増えました。
こちら実際にインドオフィスに行った際の写真です。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/95636503/picture_pc_563e01b221d10fd2b5e4f9924bf5eda9.jpg?width=1200)
実際にインド採用に関わる中で知ったマーケット情報、就労観について解説したいと思います。
インド採用市場の特徴
まずは海外採用を考えていく上で、大国インドがどのような構造になっているかについて紐解いていきます。
若者が多い
インドは総人口が13-14億人(2022/12月時点)と言われており、中国に並ぶ世界トップ大国の一角です。
中国の人口構造と違うのは、添付写真の人口ピラミッドを見てわかる通り、10-30代の人工分布です。
![画像1](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/83983470/picture_pc_4c2ddd650ccc1db746d34c079b36788b.jpeg?width=1200)
引用元https://population-pyramid.net/ja/pp/
ネイティブレベルの英語力を持つ
地域や教育レベルに応じて違いはあるものの、ネイティブに近いレベルで英語を使うことができます。
インド人の社員に聞くとヒンディー語には20種類以上あり、北と南だと通じないケースもあるそうです。そのためコミュニケーションとして英語を使う方も多いらしいです。
英語が使えることで世界中の情報にアクセスでき、それだけチャンスが増えることはすごいですよね。
高い技術力を持つ若者が多い
インドではエンジニアを中心に高い技術力をもつ若者が多いです。
国の教育政策、外国資本の参入(アルムナイ含む)、競争社会の3つの要因が機能することで、多くのIT技術者を輩出し続けることができているのだと思います。
◯国の教育政策
インド最高峰の大学であるIITも国策の一環として追加で設立され、多くのエンジニアを輩出しております。
◯外国資本の参入
また10〜20年前から海外のIT企業がオフショア開発としてインドに拠点を構えたことで数万人以上の雇用が生まれ、多くの技術者が高いレベルの実務経験を積むことができるようになりました。
◯アルムナイによるスタートアップエコシステム
またシリコンバレーなどbig techなどで富を築いたアルムナイの存在は、IT技術への就労機会を増加させ、多くの雇用を生み出すような投資をしており、新産業が勃興するエコシステムを構築できています。
◯競争社会が平均レベルを押し上げる
このような社会で良いチャンスを得るためには、競争の中で生き残っていく必要があります。常に高みを目指し続ける必要性があり、国全体の技術レベルを向上させ、世界に出ても十分戦えるような若者を多数生み出していると思います。
賃金の相場
日本人から見るとオフショア開発などの事例もあるため、インド人の採用コストは安いと考えている方も多いかもしれません。
しかしミドルのエンジニア採用においては、インド国内だと日本と同水準程度に向上してきています。むしろ日本の水準だと、アメリカや欧州諸国で活躍しているミドル以上のエンジニアの採用は難しいでしょう。
過去5〜10年は割安だったと思いますが、今後5〜10年で日本の水準を大きく上回る可能性が十分にあります。
インド人の就労観
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海外に活躍の場を求める
人口が多く競争率も高い中で生き残っていく必要があると話をしましたが、英語と技術力という2つの武器をもっているため、海外に活躍の場を求める方が多いです。
◯海外の事例
アジア圏に加え、アメリカや欧州など、学生時代から積極的にインターンに参加します。また、アメリカからアジア圏に転職、アジア圏から欧州圏に転職のように、積極的に活躍の場を変えていくケースもあります。
メルカリでも多くのインド人インターン生、新卒社員、中途社員が在籍しており、活躍しています。
機会を自分からどんどん探す
インド採用に関わるなかで驚いたのは、日本人とインド人は働き口の探し方が異なります。
◯スタイルの違い
インド人は自分で探す、人の紹介を使うというのが主流です。日本人ではダイレクトリクルーティングで企業からオファーがくるような形が主流ですが、その逆の現象がインドでは起きています。
競争社会と縁故文化が要因だと思いますが、自分からどんどん探していくスタイルで、良い会社があればそこで働いてる人にリファレンスをお願いし、申請するような形が主流です。
私のようにインドの採用に関わると、Linkedinで毎日友達申請が数名〜数十名きますし、レジュメもダイレクトで多数送られてきます。
常に良い機会はないか?という観点で探す姿を見ていると、世界中でインド人が活躍する理由の片鱗を知ることます。
良い機会を得るために交渉する
インド人は交渉することが当たり前の文化としてあります。むしろ、日本人が少ないくらいかもしれません。
私が出会ってきたインドの方は、気になることは細部まで考え交渉します。
インドで参加した場合のイベントでも、びっくりするくらい質問がでてきます。
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「なぜこの年収をもらうべきか」「なぜこの会社で活躍できるか」「なぜインターンを延長すべきか」といったような形で、自分が達成したいことに対して論理的に交渉します。
常に最善の可能性を得るために交渉する姿は、インド人から学ぶべき良いポイントだと日々感じます。
インドの新卒採用の特徴
就職スケジュールが厳格に決まっている
インドでは大学が就職のスケジュールを決めており、原則そのスケジュールに沿った形で進める必要があります。
日本にも就活のスケジュールがありますが、それよりももっと厳しく決められ、管理されています。
そのため大学主催のイベントなども多く、私もインド現地でイベントに参加したりしました。
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大学に報告する義務
選考状況、インターン参加、オファー承諾をする場合は大学に報告する義務があります。
ペナルティを課される可能性もあるため、就職活動の状況を正しく報告するのが一般的です。
そのため学生が就職をサポートするような団体があったりするのも特徴的なポイントです。
インターンが単位認定されるケースが多い
就職活動を管理されているということもあり、学業に関連するインターンでは単位認定されるケースも多いです。
大学経由で候補者とコミュニケーション
直接する事例もありますが、IITなどでは選考の案内などは大学を経由してコミュニケーションする必要があります。
日本では考えられない形だと思いますが、しっかり管理することで学生の就業をサポートしています。
【余談】大学の校舎の規模が大きい
こちらの通り東京ドーム何個分?と思われるくらいの大きさの校舎で建設中のものも多いです。
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大学の寮に学生は泊まる義務があったりするところもあり、学内に集合住宅もたくさんあります。
インド採用をはじめるなら今
インドはこれからも多くの若い人口を要し、スタートアップをはじめたエコシステムが拡張することで、まだまだ多くのIT人材を創出していくと思います。
アメリカのBig Techや日本だと楽天などがバンガロールにオフィスを構え、数百名〜数千名単位で採用していく流れが続くかもしれません。
日本の企業でインドに着目するスタートアップも増えてきており、採用成功の事例も耳にします。
インド採用おすすめの本はこちら
マーケット理解をするためにまずはこの本を読んでおくと間違いないと思います。
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IT大国に至る歴史、現在のトレンド、教育システムなどわかりやすい文体で記載されていて読みやすいのが特徴です。
マーケット理解をしたい方、海外エンジニア採用に関わる方はぜひ読んでみてください!