海外大生の採用市況とアプローチ方法
グローバルな素養やバックグランドを持った候補者を採用していきたい、といった企業のニーズは増えてきたと思います。
前職で日本人の海外大生向けのサービス開発を経験し、現在は世界中の候補者の採用に関わってきた自身の視点から、今回は下記のことについて解説します。
日本人の海外大生とは
正規留学生と非正規留学生の2種類
海外大生には正規留学生と非正規留学生の2つに大別することができます。
正規留学生は大学進学時に海外の大学に直接入学した方で、非正規留学生は交換留学や私費留学など一定期間海外の大学に滞在する方のことを指します。
日本人の海外大生の現状
コロナをきっかけに海外留学生が大幅減少
文部科学省のデータによると2019年までは10万人以上いた留学生が、2020年に激減しております。こちらのデータは少し古いですが、2021年も総数は大幅に増えず、2022年頃から徐々に増えてきてはいるものの、当時の状況とは乖離があります。
正規留学生の数は微減で大きく変化はない
マーケット全体が減少している大部分は非正規留学生で、日本人の正規留学生は微減にとどまる形になってます。
コロナ禍において世界中の大学の門戸が閉じたわけではなく、オンライン入試や授業体制によって正規留学生は変わらず進学できているのはグローバル採用を考える上でのユニークなデータと言えそうです。
ボスキャリ一択から多サービスの利用に変化
正規・非正規留学生問わず、海外大生の就活といえばボストンキャリアフォーラム一択が大きなトレンドでした。
しかし企業もオンラインでの選考体制を準備したことにより、海外大生もオンラインで企業情報を取得するインフラが整ったのが大きな変化です。
そのため、ビズリーチ・キャンパス for 海外大生のようなスカウト型サービスや、他のイベントなどに参加するようになりました。
3日決着から年間の就活スタイルへ
ボスキャリでは3日で就職先を決めるのが一般的でしたが、オンラインサービスを利用することで、早く就活を始めることができるようになりました。
そのため、ボスキャリだけではなく国内と変わらないスケジュールで就職活動をするようになり、結果として長期間にわたり就活をする海外大生が増えています。
海外大生にアプローチする代表的な企業
外資系金融、コンサル、メーカー、IT、ならびに一部の総合商社や金融機関が早期接触を実施しています。
外資系は早く接触して早く内定を出すトレンドですが、総合商社や金融機関の多くは内定時期を国内大生と同じにする傾向が強いです。
そのため早く接触しても商社や金融機関を受けたい候補者の意思決定の時期は、後ろになっている状態です。
海外大生の志向性
正規留学生の大多数が国内就職を希望
正規留学生だから海外でそのまま就職しないの?という印象を持つ方も多いのではないでしょうか。
しかし、海外大生の9割以上は日本で就職されるのが一般的です。
人気業界は商社とコンサル
こちらのデータを見てわかる通り1番人気な企業は商社で、実際に海外大生と話していても多くの方が志望しています。
海外で働ける機会に加え、高給で雇用環境が安定している商社の魅力度が高く、国内学生よりも強い興味を示しているのが特徴的です。
一部の海外大生は国内IT企業にも就職
ITスタートアップは少ないものの、メガベンチャーなど国内のIT企業への就職事例も増えてきました。
実際にこちらのデータを見ても、国内学生と比較して興味を持っている人が多いのが分かります。
必ずしも商社やコンサルだけの一強ではなく、IT産業の成長や裁量権を求める傾向などが後押しされています。
海外大生採用のおすすめ媒体やエージェント
通年活用ならビズリーチキャンパス
かなり多くの外資系企業や国内の大手企業が利用しており、施策のカスタマイズ性が高いのが特徴。
スカウトノウハウも数多くあり、1,2年生など若手層も利用しているのが特徴です。
またオンライン完結することから費用的な観点でも割安なのがメリットです。
短期決戦ならボストンキャリアフォーラム
コストをかけずに短期間で採用したい場合はボストンキャリアフォーラムが良いでしょう。
渡航費も含めるとコストが高くなるデメリットはありますが、その3日で複数名の採用ができることを考えると、長い目で見た時の投資対効果は良い可能性が高いです。
まとめ
海外大生市場の市況変化、志向性の特徴、おすすめの媒体について解説しました。
定量・定性的なデータを見ながら、自社のフォーカスポイントを見極めた施策の実施が重要です。
市場の変化を読み解きながら、海外大生の採用を頑張っていきましょう。