カビと産膜酵母
以前、オンラインでレッスンを受けてくださった方(仮にAさん)から質問がありました。
「醤(ひしお)を仕込んでから2日目。初めてカビのようなものが発生しました。これは混ぜてもいいのでしょうか?」
醤でこのような状態になるのは私も初めて見ました。
このフワフワしたものはカビです。混ぜてはいけません。
何が原因なのでしょうか?
Aさんは容器の消毒が甘かったのではないかとのこと。
そして、湿度や温度がカビにとっていい条件だったのでしょう。
外に露出しているひしお麹や昆布が液体に浸かってないため、カビが生えてしまったのです。
今年は気温が高いのでカビが発生しやすいのでしょうか?
※通常、仕込み2日目はこのように水分がない状態で、3日目から液体が徐々に出てくるので水分を追加する必要はありません。
カビが生えてしまった場合の処置として
カビが生えている部分は破棄し、瓶の内側をアルコールでふき取る。
もしくは破棄したら、新しい容器に移し替える方法があります。
不安な方は破棄して仕込み直してください。
ここでカビと産膜酵母の違いを。
カビ
・カビはふわふわした綿みたいに見えることが多い
・色は黒や青、白など
・カビは胞子を飛ばして増え、食べ物や壁など固いものに生えやすい
産膜酵母
・膜は白っぽく、ツルツルしている
・液体の表面にうすい膜を作ることが多い
・出芽という方法で増え、酢、醤油などの液体の上にできやすい
産膜酵母は味噌作りでもあることですが(私は今のところ見かけてません)
人体に影響はないので、混ぜこんでも構いません。ただ、風味を損なう可能性があるので取り除いたほうがいいでしょう。カビの拡がり具合によりますが、カビも同様に取り除けば味噌は食べられます。カビが生えてからといって、すぐポイっと破棄しないでください。
ただ判断が難しい、心配でしたら破棄してください。
どうかカビにビビらないでください。
そこらじゅうに菌はいるのでカビは生えて当たり前と思って接しましょう。