異物除去法の手順について
乳児・小児の不慮の事故は、8割以上が窒息となっています。
1歳~14歳までの全ての年齢で、窒息・交通事故・溺水の事故が
トップ1~3となっています。
また、高齢者がお正月に餅を喉に詰まらせてしまうニュースを見たことが
あると思います。
窒息している人を助けるための手順をお話しします。
(窒息とは)
食べ物が気道(空気の通り道)に詰まって息ができなくなった状態のことです。
そのままにすると、約3分で意識を失い、心停止に至る可能性が高いです。
(窒息のサイン)
気道が狭くなると、「ヒューヒュー」という音が出たり、顔や唇が紫色になったりします。
声が出せないため、周囲に気付いてもらうのが難しくなりますが、
「喉を押さえている仕草=窒息のサイン」なので、急いで処置をします。
窒息の処置のことを「異物除去法」と言います。
(異物除去法までの手順)
1.「何か喉に詰めたのか」を聞く。
話せず、首を振る動作をした場合は、窒息として対応をします。
2.周囲に助けを求めたうえで、強く咳込んでもらう。
3.119番通報をする。(場合による)
症状によっては、重いものもあるので判断が迷う場合は、
直ちに119番通報をする。
4.強く咳込めない場合は、異物除去法を開始する。
(異物除去法の種類)
1.背部叩打法(はいぶこうだほう)
傷病者を前屈させ、肩甲骨の間あたりを手の付け根で何度も叩く方法。
通常時はこの方法を使用する。
(立たせた姿勢で叩いたり、座らせて叩いたりすることもできる。)
2.腹部突き上げ法(ふくぶつきあげほう)
片手でへそを確認し、もう片方でみぞおちを確認し、
その真ん中あたりに握りこぶしを作って、肩に向かって突き上げる方法。
(注意)
太った人や妊婦に対しては、絶対に使用してはいけない。
(内臓を痛める可能性があるから。)
3.胸部突き上げ法(きょうぶつきあげほう)
胸の真ん中に握りこぶしを作って、肩に向かって突き上げる方法。
太った人や妊婦でも使用できる。
(反応が無くなったら)
ぐったりして反応がなくなった場合は、心肺蘇生法を行います。
※心肺蘇生法について書くと、長くなるので以前投稿した記事を
貼り付けます。
「心肺蘇生法に関する記事はコチラから」
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(乳児に対して行う時)
背部叩打法もしくは、腹部突き上げ法を使います。
背部叩打法は、手の付け根で叩いて良いですが、
腹部突き上げ法は、人差し指と中指の2本で胸の真ん中を押します。
反応がなくなった場合は、心肺蘇生法を行います。
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(その他)
1.口を開けた時に、異物が見えても手で取ってはいけない。
(強く噛まれてけがをするから。)
2.水を飲ませてはいけない
(肺炎になる可能性があるから。)
(補足説明)
前々回、止血帯止血法についてお話ししましたが、ターニケットや棒以外にも
ベルト使って止血することもできます。
使用する確率は少ないと思いますが、覚えておくと良いかもしれません。前々回の記事はコチラから
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(最後に)
次回は、「熱中症」についてお話しします。
本日も読んでいただきありがとうございました