【読書のあいだ】2024年3~4月の読書記録
2ヶ月毎につける読書記録。今回で2回目。
2024年 3~4月に読んだ本を、読んだ順に列挙してみた。全部で13冊。特におすすめの本には★をつけている。
本そのものの読書記録というよりも、本と本のあいだを思い返す日記に近い。
■2024年3~4月読書リスト
・『普通という異常』兼本浩祐★good
・『菌の声を聴け』渡邉格・麻里子
・『考えるとはどういうことか』梶谷真司★good
・『本屋、はじめました』辻山良雄
・『必要な時に上手に助けを求める方法』ハイディ・グラント
・『スピノザ エチカ』國分功一郎★good
・『利他・ケア・傷の倫理学』近内悠太★good
・『問うとはどういうことか』梶谷真司
・『はじめてのスピノザ』國分功一郎
・『スピノザの診察室』夏川草介★good
・『ともに生きるための演劇』平田オリザ★good
・『みるとかみえないとか』ヨシタケシンスケ・伊藤亜沙★good (neneちゃん推薦)
・『仏教超入門』白取春彦★good (永森さん推薦)
■読書のあいだ
2月にドミニク・チェン『未来をつくる言葉』や武田砂鉄『わかりやすさの罪』を読んでから、「相手のことをわかる」ということが何なのかを考え始めた。そこから手にした本が、兼本浩祐『普通という異常』。一般的に「普通」と呼ばれている人たちのことを「健常発達障害」という病気と捉えて、その病理を説明している。いわゆる普通というものが何なのかを考えることで、自分というものが一体どういうものなのかを知りたいと思って読み進めた。
梶谷真司『考えるとはどういうことか』という本は、「哲学カフェ(哲学対話)」を開催するにあたって教科書として読んだ本だ。少し前に、梶谷真司さんが登壇する対話イベントに参加する機会があり、その時に買っていた本だ。哲学対話を行うことで「考える」ことがいかに難しく、そして楽しいことであるかを知った。
哲学カフェを開催するにあたり、私が好きな哲学者である國分功一郎や、氏が研究しているスピノザについての本を読みたくなった。そして手にしたのが、NHK 100分de名著の國分功一郎『スピノザ エチカ』。この本はスピノザの入門書として本当に良書だと思う。スピノザが生きた17世紀のヨーロッパにおいて、デカルトとは別の「ありえたかもしれない、もうひとつの近代」を構想していたスピノザの偉大さは、今になってようやくその価値が理解され始めている。この本に章を追加した國分功一郎『はじめてのスピノザ』を読み、スピノザ繋がりで夏川草介『スピノザの診察室』を読んだ。「静謐な人」が発する心強さを感じる本だった。
演劇をお仕事にしている方のお話を聞く機会があり、そのつながりで平田オリザ『ともに生きるための演劇』を読んだ。演劇は、多様な他者とイメージを共有し、価値観の差異を認め共同体を維持するために生まれた芸術であるらしい。演劇というものが「ことば」や「コミュニケーション」の原点にあるということを初めて知った。意図して読んだ訳ではないが、ここでも「対話」が本質的なテーマになっていてとても興味深い。
いつもの駅前本棚でneneちゃんが推薦してくれた本が、ヨシタケシンスケ&伊藤亜沙『みるとかみえないとか』。"おなじところを さがしながら ちがうところを おたがいに おもしろばれば いいんだね" とある。ここでもやはり、「相手のことをわかる」ということが何なのかを考えるきっかけをもらえた。
そして4月最後に読んだのが白取春彦『仏教超入門』。永森さんの推薦書。仏教とは「縁起」と「空(くう)」の哲学。先日開催した哲学カフェ(哲学対話)の中で、じゃこさんと話をしていたことだけど、空の哲学が自分の考え方ととてもフィットしているように感じた。
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