✨️【掌編小説】✨️50代 これからの人生このままでいいのかな?✨️メルヘンタロット物語✨️
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「50代、これからの人生このままでいいのかな?」 子育ても仕事もひと段落した50代。
でも、どこかに感じる空虚感や「本当にやりたいことは何だったのか?」という自分への問いかけ。
今日の「メルヘンタロット物語」の主人公:紫苑さんがメルヘンタロットを通じて見つけた、「遅すぎることはない!」という大切な気づきとは?
50代からの人生をもう一度見つめ直し、可能性を広げるヒントを今日の「メルヘンタロット物語」から感じてみませんか?
<50代 これからの人生このままでいいのかな?>
50代を迎えると、ふと立ち止まってこれまでの人生を振り返る機会が増えてきます。子育ても仕事も一段落し、ふと感じるのは心の奥底に残る漠然とした空虚感。このまま穏やかに過ごすのも悪くないと思いつつも、どこかで「本当にこのままでいいのかな? と自分に問いかけてしまう……。
紫苑さんもそんなひとりでした。彼女は、心の中に「もっと違う人生があったかもしれない」と感じつつ、50代を迎えてから自分の役割が終わったかのような気持ちを抱いていました。
しかし、彼女がメルヘンタロットを引いたことで気づいたのは、自分の中にまだ「夢」や「可能性」が眠っているということでした。
<欠乏感を埋め心を満たす何か>
こんにちは。私はドレーム。メルヘンタロットのセラピストです。
「ドレームさん、私、今年55才になりました。今の生活も安定しているし、不満は特に何もないんです。でも……」
「でも?」
「でもね、どうしても、『これからの人生このままでいいのかな? とも思うんです」
紫苑さんは、「何の不足があるの?」とよく批難されるけれど、「欠乏感を埋めて、心を満たしたい」と言われるのです。紫苑さんは、少し虚ろに感じられる目で、ぼんやりと天井の方をみていました。
紫苑さんが引かれたカードには、翼のついた大きなハートが描かれています。朝日が昇りくる水平線のもとに、ハートが現れ、二人のマーメイドがハートを押し上げているのです。
このカードから紫苑さんが、どのような印象を受けたかを尋ねました。
「とてもパワーを感じます。翼がついていて、今にも飛び立とうとしています。朝日を浴びて神々しく、力強く感じます。なんだか、このハートが私のような気がしてきました。
このカードの海は、過去の深みを表しているのです。過去の深みから、愛の世界に新しいチャンスが昇ってくることを象徴しています。
「紫苑さんは、今にも飛び立とうとしている力を感じますか?」
「今の私にそんな力があるかしら? 50歳で会社を早期退職して、子どもも成人したし、私の役目は果たしたと思っているんです」
これからは静かに穏やかに過ごせたらいいと思っている。自分にパワーがあるとは思えないと言いながらも、紫苑さんは、どこかもどかしそうな表情でした。
<無理だと思い諦めたこと>
「でも、穏やかに暮らせたらいいと思いながら、『これからの人生このままでいいのかな?』という思いがずっとあるんです」
紫苑さんは、子育てをしながらフルタイムで働くことは本当に大変だったこと、子どもの成長が生きがいだったこと、仕事もやりがいがあったことを話されました。そして、しばらく俯いて考え込み、すっくと顔を上げて言ったのです。
「実は……『私には無理だ!』と思って諦めてしまったことがあるんです! 若い頃、私は絵を描くことが大好きだったんです」
紫苑さんは夢中で話し続けました。
「忙しい日々の中で、いつしか絵を描くことからも遠ざかり、気づけば子どものカードくらいしか描けなくなってしまったんです……」
紫苑さんは、そう言った後で、「自分の時間ができたけれど、今さら描いてどうなるの? 自分は美大も出ていないし、今から本格的に始めるのは『遅すぎる』とことばを続け、そして、「私には才能がない」とも言ったのです。
<「遅すぎる」と思うのが怖かった>
じっとメルヘンタロットを見つめていた紫苑さんが、ハッとした表情になりました。そして驚いたように言ったのです。
「私は逃げているかも知れないです!」
「逃げる?」
紫苑さんは、言葉を選ぶように静かに語り始めました。「遅すぎると思っていた。でも、実は……挑戦するのが怖かったんです」と自分の胸の内をさらけ出だしたのです。
次第に目には力が宿り、「私が描いた絵を絵本にして、子どもたちに届けたい。今ならできるはず」と確信する表情に変わりました。
「そうだったんだ! 『今からでは遅すぎる。私には才能がない』と諦めていたんだ! 私、自分の中にある『もっと何かができる』という気持ちを無視していたことに気づきました! 遅くないですよね! 私にもやれますよね!」
紫苑さんは私に言いましたが、それは、自分自身に確かめていることばだと私は感じました。
<人生の経験から得た財産>
「べつに美大を出ていない素人でもいいんじゃないかと思うようになったんです。子どもたちが楽しく喜んでくれる絵を描きたい。絵本にしたいんです」
紫苑さんは、バッグに入れて持ち歩いている子どもたちに贈ったカードの写真を見せてくれました。どの絵にも子どもたちを喜ばせたい紫苑さんの温かい気持ちが溢れていたのです。子どもを育ててきた紫苑さんだから描けた愛に溢れた絵でした。
「素晴らしいですね! 紫苑さんの絵はとても温かい気持ちになります!」
「ありがとう、ドレームさん。私にもできそうな気持ちになってきました!」
「カードの写真をSNSに投稿してみてはどうかしら?」
「はい! それに、昔と違って、今は絵本を一冊からでも出版できるらしいんです。私、少しずつ、絵本の下絵を描き始めます!」
紫苑さんは、やって来た時とは、別人のように晴れやかな表情で、イキイキとどんな絵本を作りたいかを語ったのです。暗かった顔色は、紫苑さんの喜びをあらわすように、上気してほんのり赤くなっています。
<50代は人生を新たに創造する時>
「これからの人生このままでいいのかな?」と感じているあなたも、紫苑さんのように自分の才能や可能性を見つけたいと思いませんか?
自分の才能や可能性を見つけたい時に、まず大切なのは、自分の過去の経験を振り返ることです。これまでの人生で何を大切にしてきたのか、何に夢中になったのかを思い出してみましょう。
そして、その中で今でも情熱を感じられるものがあるなら、それをもう一度掘り下げてみる価値がありますよ。
新しいことにチャレンジする時は、小さな一歩から始めることが大切です。たとえば、新しく始めたことをブログやSNSで発表してみる、オンライン講座で新しいスキルを学ぶ、地域のコミュニティに参加してみるなど、身近なところからチャレンジしてみてください。
紫苑さんは、メルヘンタロットを通じて「自分にはまだ翼がある」ということに気づきました。そして、その翼で新たな人生に飛び立つ準備を整えたのです。
50代のあなたも紫苑さんのように眠っていた夢を見つけ、叶えるための一歩を踏み出せるかもしれません。これまでの経験が、あなたの新たな人生の財産になるのです。
まずは小さな一歩を。ブログやSNSで作品を発信する、地域のアートワークショップに参加してみるなど、何かに挑戦してみませんか? 50代だからこそ、自分の人生を新しく創り出すことができるのです!
<終わり>
(「50代 これからの人生このままでいいのかな?~メルヘンタロット物語~」)
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