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メルマガ追いコン号【連載】今月の課題図書―what book ゼミ生 read?―


  「課題図書」とは、毎月、村上先生から指定された本を、ゼミ生が読んで感想を書くこと。章ごとの100字要約と1000字以上の感想を書き、提出する。
知り合いの著者、編集者には、その感想文をお送りし、それに対して返信をいただいている。直接、感想への感想を頂くことができ、課題図書を読むモチベーションになっている。
12月は2冊、本田亮『僕が電通を辞める日に絶対伝えたかった仕事の話』(メルマガ2月号で紹介)と『ハーバード流宴会術』(大和書房)、1月は『たった一人の熱狂』(双葉社)を読んだ。
 

児玉教仁『ハーバード流宴会術』(大和書房)
 
 著者は三菱商事出身で、同社在籍中にハーバード大学経営大学院でMBAを取得した。今はグローバル・リーダー育成のプロフェッショナル。ハーバード経営大学院のジャパン・アドバイザリー・ボードメンバーでもある。 
 本書では、ハーバード・ビジネス・スクール卒業の著者により、宴会を成功に導くためのノウハウを知ることができる。若手社員もベテラン社員も役立つ「ひと手間くわえたコミュニケーション術」が満載だ。
 
―― 村上先生がこの本を選んだ理由は??
村上先生)コロナ前、村上ゼミの名物に、「企画書・台本のあるゼミコンパ」がありました。(afterコロナで、また、やるけど)。毎月末、最終のゼミ後に開催。出席は自由だが、幹事は持ち回りで、必ず担当してもらいます。
コンパの企画を立て,予算を立て、台本を書いて準備し、実際に運営する。番組やイベントを仕切る(=プロデュースする)基本が全部、詰まっています。企画を練れば練るほど、細部に至るまで準備をやれば、準備しただけ、参加者の笑いや驚きの手応えがあることを実感できるからです。村上ゼミ流コンパは、就活面接のネタになっていたと聞きます。
この本の著者、児玉さんは、1997年、三菱商事に入社してからというもの、「夜の怪物くん」の異名をとる先輩の薫陶を受け、トップクラスの宴会の仕切り屋になります。
 さらに、2004年、世界最高峰の経営大学院、ハーバード・ビジネス・スクールに入学。実は、「ハーバード・パーティ・スクール」といわれるほどイベントやパーティーが多い学校で、「宴会力」に自信のあった児玉さんさえ、その宴会術に驚いたそうです。
本書はそもそも暗黙知であった宴会を、ハーバード・ビジネス・スクールで学んだ経営学によって整理し、体系立てて説明した一冊。イベントや番組制作の基本のキにも通じます。
Afterコロナのワークスタイルの中で、宴会のあり方は大きく変わるでしょうが、スタイルは変わっても、互いに信頼関係をつくる機会を大切にするハーバード流、そして日本流の宴会術は必要だろうと思います。
 
M2・陳澤偉) その経験を凝縮した本書『ハーバード流宴会術』では、パーティー、宴会の役割や企画の立て方を多角的に分析している。上司や同僚との仕事、家族や友人との生活の中で、これからのイベントを計画するための宝物のような一冊だと思っている。
 
見城徹著『たった一人の熱狂』(双葉社)

著者は、慶応義塾大学法学部出身。75年、角川書店に入社。『月刊カドカワ』の編集長になったのち、400万部を超えた森村誠一の『人間の照明』など、ヒット作を生み出す。93年には、角川書店を退社し、幻冬舎を設立した。幻冬舎21年間で、21冊のミリオンセラーを送り出している。
本書は、サブタイトルであるように、見城氏の「仕事と人生に効く51に言葉」が載っている本である。この本の元は、SNS「755」でのユーザーと見城氏による「ガチンコ」なやりとりをもとにしている。「755」で発信した見城氏の言葉を土台にして、人生や仕事に対する向き合い方を説くものだ。「結果が出ない努力に意味はない」というタイトルから、「買い物の極意」まで、見城氏の考えを細部まで読むことができる。
 
――村上先生がこの本を選んだ理由は?
村上先生)本を選んでいたとき、ちょうど11期が、年間研究で悩んでいた時期でした。(年間研究とは1年間を通して、一つのテーマについて研究するゼミ活動のひとつ。現在はテーマが決まっている。今年は、「3.11原発事故避難からの帰還ふるさとはどこに」として、避難先から被災した地元に帰る人と帰らない人の違いについて取り上げる予定だ。)
年間研究について悩んでいる11期を見て、「本気の人がやらないと成立しない」と考えましたこの本の著者である見城氏は、タイトルで「熱狂」というように、常に本気で生きる人です。その見城氏の話を聞いたらどうだろう、と思い、この本を選びました。
誰にも、無我夢中になった時期や、誰かの真似をする時期があった方がいいと思います。そこから真似をして、真似していることがおかしくないか、考えるようになる。こうして真似から離れ、一人前になるのです。角川書店時代の上司であった角川春樹氏と見城氏の関係が、いい例です。この「熱さ」をゼミ生も感じた方がいいと思いました。頑張ること、無我夢中になることの本質に気づいて欲しいと思います。
 
4年・白土真那)本を読んでいるという感覚よりも、話しているのを聞いているという感覚に陥った。そして、この本は読んでいて熱くなれる本だった。時間が経って読み返したら、また違う感想が生まれることだろう。ぜひ何度も読みたいと思う。

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