あなた『君の不安は僕の憂鬱』
君の不安は僕の憂鬱
「君の不安は僕の憂鬱。」
そう言ったあなたに心を奪われる
愛しさを言葉にしたい
でもそれって多分
50音じゃ足りなくならない?
明日のことさえ分からなくても全然怖くない
「僕の不安は君の憂鬱?」
そう聞かれた私はあなたを抱きしめる
愛しさをメロディにしたい
でもそれって多分
6弦じゃ足りなくならない?
明日のことさえ分からなくても全然怖くない
明日のことさえ分からなくても全然怖くない
私、全然怖くない
【解説】
元々、
知人の結婚式用に書いた曲だったけど、
結局式で歌う機会はあったものの、
この曲は歌ってない気がする。
理由は忘れた。
明日、照らすでやるつもりはなく、
とりあえず書いていた曲で、
実はさよならパリスでも
もうちょっとハードロックなアレンジで
何度かライブでやったことがある。
今では
何となく自分がやってる
バンドや形式に合わせて
曲を書くようになったけど、
この頃まではそこまで垣根がなかった。
一時期、
明日、照らすアコースティック班と題して、
僕がアコースティックギターを弾き、
ばんはベース、
元THE モールスシンゴーズのDr・ゆたくんがカホンで
一緒に活動をしていたことがあった。
基本的には明日、照らすの曲を
アコースティックにリアレンジしていた中で、
「この編成用の曲があってもいいな」
という話になり、
この曲の存在を思い出し、
ライブでやってみて反応も良かったので、
そのままアコースティックバージョンで
アルバムに入れることなった。
カホンだとバリエーションが厳しいということになり、
アルバムではライブと違い、
普通のドラムで入れている。
普通に自分がよく聴くアルバムでも
大体後半くらいに
1曲アコースティックが入ってるような
アルバムが好きで、
分かりやすいところで
GREEN DAY 『ニムロッド』とか
jimmy eat world『ブリードアメリカン』
とかもそうだけど、
一曲アコースティックが入ると
それだけでアルバムが相当締まる気がする。
本来だともっとシンプルな弾き語りが
入ってる方が好きだったりするけど、
僕は1人で
弾き語りでさよなら三角としてCDを出してしまって、
「さよなら三角があって、
明日、照らすのアルバムに
明日、照らす名義で
1人の弾き語りの曲とか
意味分からないよなあ。」
と思ってからは
そういうことができなくなってしまった。
歌詞に関しては
女性がそのパートナーを見る目線というか、
こういう気持ちだったらいいな
という想像の曲。
この曲は特にそういう実体験がある訳ではない。
元は適当に1人でスタジオで歌ってた時に
「君の不安は僕の憂鬱」
というフレーズが出てきて、
「それを言われたら、
女性はどう思うんだろう?」
というところから歌詞を書き始めた。
2番のAメロで
「逆に聞かれたらどうするのか?」
と思ったけど、
男は多分抱きしめておけば
大抵解決することが多いし、
そうしてほしいなと思った。
この歌詞を書く時に頭にあった
女性のモデルは
長谷川町子さんとか
向田邦子さんとか
なんかこう
日本昭和の由緒正しき女性ユーモア
みたいなイメージだった。
ただ2人とも生涯独身だったけど。
芯の強さとちょっとの意地悪さと
ひねくれさと弱さがあって、
多少オーバーでもあざとさを感じない。
こういう優しい気持ちになるような
曲を書きたい時は
いつも女性の言葉になる。
この歌詞を男性言葉にすると
柔らかい感じがなくなるというか、
あんまりしっくりこない。
先に1番Bメロの歌詞ができて、
愛しさを言葉〜の対になるのは、
音楽、メロディかなと思って、
2番Bメロで
最初はギターではなくピアノで考えていたけど、
鍵盤数88鍵とか76鍵とか多すぎて合わなくて、
そこから段々、
「ピアノって何種類あるのか?」
「ピアノのキーの幅ってどれくらいあるか?」
「オーケストラで楽器って何種類使うのか?」
とか音楽に関わりがあって
数字が出てきそうな単語で
色々と違う方向で考えたけど、
自分に馴染みがなさすぎて
あまりいいアイデアが出て来ず、
多分パッと聞いても意味がよく分からなくなるだろうなとも思ったので、
結果的に6弦=ギターが合ったので6弦にした。
「あなたと一緒なら
明日のことさえ、
どうなるか分からなくても全然怖くない。」
これがおそらく
誰もがもっとも
パートナーに言われたい言葉。
自分の理想も含めて、
この一言に全てを込めた。