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中居正広の芸能界引退と紅白でも披露された「虎に翼」の社会的意義
中居正広の芸能界引退発表で一部メディアは中居君の功績やSMAPの軌跡を振り返り、多くの人がきっと中居君への感想を言うでしょう。
そして「フジテレビガー」とフジテレビを潰してやりたい人達は、フジテレビの女性アナウンサーをはじめ全てのフジテレビ関係者を攻撃し続けるのでしょう。結局コメントするのは疑惑のプロデューサー以外の人ばかりですけどね。
この問題に関してはSNS等で顔の見えてる人同士でもお互いに色々言い合ってたり、すでに顔の知られている関係者達は、更に執拗に追求されたり、誹謗中傷を受けるかもしれません。
本当に悲しんでいる人も居る一方で、悦に浸って攻撃する人もいれば、見て見ぬフリして黙秘を貫く人だっているでしょう。
そんな時、冷静に振り返れるドラマを去年多くの人が目にしていたのではないでしょうか?
誰が何を主語にしてこの問題を語っているのか。
中居君なのか。プロデューサーなのか。週刊誌なのか。フジテレビなのか。女子アナという存在なのか。SNSの在り方なのか。報道の在り方なのか。オールドメディア全般なのか。性加害、性被害、性接待など性に関するトラブルなのか。
クローズアップ現代のインタビューのなかで、「虎に翼」の脚本家吉田恵理香さんはインタビューの中でこう答えています。
“主語がでかくなりがちっていうのは、どんなことでも。「男は」「女は」とか。「働く女は」とか「子持ち様は」とか。何かそれをひとまとめにするのって、搾取している側の思うツボっていう気がするので、なるべく私は主語を小っちゃくしてしゃべることは気をつけています。”
“何かのマジョリティーに入ってる以上、必ず誰かを傷つけたり誰かが持ってない特権の上にあぐらをかいてるってことが絶対ある。どんなに素晴らしい人でも誰かを傷つけたり搾取していたりする世界なので、残念ながら。これはたぶん変わらない。
その搾取する側の人って、絶対分かってるのに、「嫌だったの?」「言ってよ」みたいなことを、あとから言うじゃないですか。だからやっぱり、当事者の人が苦しい思いをしないために、いろんなマジョリティー側が変えられること。結果、自分の生きてる社会が良くなって自分に戻ってくることだから、関係ないと思わないってことが、世の中を変えると信じています。”
紅白でも披露された米津玄師の「さよーならまたいつか」が今回の騒動で心を痛めた沢山の人達に届くことを切に願います。