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そういえば紅白で福山雅治が良いこと言ってたんだった
「歌を聴いた人が『これは自分に向けた歌だ』と感じた時が、初めて歌が届いた時だと思います。今夜は、僕の歌があなたの歌になるように。そんなパフォーマンスをします」
去年の紅白の福山雅治の歌唱前のコメント。
毎年紅白に対する賞賛も批判も色々ありますが、こと歌の評価に至っては福山雅治のこのコメントが全てだなぁと。
歌に限らず作品の評価って本来そういうもんですよね。自分の心に響いたら、世間の批評なんてもう関係ない。書籍だって映画だって。なんちゃらランキングなんかよりも自分の心にどこまで届いたかどうかが重要で。
それじゃあ『これは自分に向けた歌だ』って思えない歌ってなんだろう。今回の紅白のテーマは『あなたへの歌』でした。元NHKアナウンサーで紅白の司会を務めたこともある有働アナは自身のラジオで「毎回、テーマ決めるんだけど『あなたへの歌』っていうのは、大体歌って誰かのためであなたへの歌じゃん。どういう感じのテーマになるんだろうね。何というか…こだわりっていうか」「どうなのかなと。『あなたへの歌』っていう。だって、歌う人みんな『あなたへ』と思って歌ってるのに、それをテーマにするっていう…」と発言していましたが。
自分はここ何年か紅白歌合戦を観てM-1のように紅白の各曲目を採点しています。その採点基準も色々ありましたが、やはり最後の決め手は自分の心に届いたかどうかでは無いでしょうか。でもそこには感動を共有したいと思える評価と別に共有したいとは思えない評価がありました。後者の共有したいと思えない評価についても、個人的な好き嫌いの評価があります。
・自分は好きだけど、世間の人は高く評価しないかもしれない
・世間の人は高く評価するだろうけれど、自分は好きじゃない
ここで日刊ゲンダイの紅白への批判的な記事
“多様性”ツギハギだらけNHK紅白歌合戦の限界と今後…盛り上がったのは特別枠のみ、2部視聴率はワースト2位から以下の部分を抜粋を紹介させてください
↓↓
「ドミノとかけん玉とか、勝手に恒例になっていて、歌が入ってこない演出がある一方で、藤井風や椎名林檎とか、明らかに特別扱いされている歌手もいて、そのあたりもなんだかなあという感じです。また司会が歌ったり踊ったりするのもどうなのかと」
自分にとっては紅白の椎名林檎なんかは、世間の人は高く評価するだろうけれど、自分は好きじゃないの部類に入ります。だいたい毎回歌唱後に思います。違うなぁ〜。好きになれないなぁ〜。と。
でやっぱり日刊ゲンダイみたいに叩きたくなるんですけど、少し冷静になって考えてみれば、なぜ紅白の椎名林檎は『これは自分に向けた歌だ』とはならないんだろう。逆に毎回紅白の椎名林檎で感動出来る人はどんな人なんだろう。紅白の藤井風もそう。確かに素晴らしい歌手だけど、あまりにも紅白初出場時から特別扱いされ過ぎているように感じてしまって、家で聴いている時よりも遠い存在の特に関心もない歌手になってしまう。今回ならB'zの興奮の余韻後のニューヨーク中継が余計そうさせたのか。それこそ星野源の『ばらばら』の歌詞通りなのか。いや星野源だって歌の世界観以前に暗っ!と思って、自分の心に暗い影を落としてきたし。ただ音楽業界人中心に相変わらず皆高い評価のままですよね。では音楽業界人が好きじゃないから真っ直ぐ自分の心に届かないのか。
『自分に向けられた歌』といってもその時の社会的自分によって違うのでは。椎名林檎にしても福山雅治にしても、自分が10代20代の頃はカラオケで必ず歌うぐらい好きでした。J-POPに素直に夢中になっていた時代。
でも年齢を重ねるに連れ、自分の中の椎名林檎や福山雅治の評価は紅白に出演していない頃の方がとても高いのに、色んな媒体メディアで賞賛され自分よりも若い人が現在の姿を高く評価していることへの違和感。これって自分の持ってる確固たる紅白観がそうさせてしまっているんでしょうね。
色んな紅白批判記事があって、色んな有名人、世間一般人の紅白批判もありますが、きっと皆それぞれ紅白観が違うんでしょう。それに“大人になってからの音楽の好みは14歳の時に聴いた音楽で形成されている”って言いますし。
それで言ったら、Number_i、BE:FIRST、JO1とかメチャクチャカッコ良くて歌もダンスも好きなんですけど、自分の紅白観だとDA PUMPや野猿らが男性ダンスボーカルグループの基準になっていると思います。あくまで紅白のステージとしての評価ですが。
そうすると『自分に向けた歌』ダーと歌手の方がNHKスタッフらと一緒に届けるようなパフォーマンスをしてきたとしても、すでに『自分に向けた歌』のベストはあるんですね。そのベストが再現とか更新された時に感動って生まれるんじゃないんでしょうか。下回る時はきっとマンネリに感じるでしょう。紅白連続出場歌手ってそことの戦いです。
まぁそんな過去のパフォーマンスと現在のパフォーマンスを比べて毎年評価する番組なんて紅白ぐらいなのかなぁ。毎年色んな特番観ているけど、過去の方が良かったって番組なかなかすぐには思い付かないなぁ。