リハ学生が臨床実習で印象づけるポイント

 臨床実習の際、リハ学生が対象者や医療従事者に好印象を残すために大切なのは、自己紹介と非言語的なコミュニケーションスキルである。両者に共通する視座は、「自己観察」である。

 臨床実習がはじまると、至る所で自己紹介をする場面に遭遇する。大半の学生は、「◯◯大学から来ました△△です。よろしくお願いします。」と自己紹介する。実のところ、こうした自己紹介は誰の記憶にも全く残らない。逆の立場を考えてみてほしい。新入生の歓迎会で新入生が「◯◯県から来ました△△です。よろしくお願いします。」と言う自己紹介をしたとする。記憶に残るだろうか?

 では、どのような自己紹介が望ましいか。それは、あなた自身のエピソードだ。例えば、「私の名前は△△と言います。友達からはいつも××と呼ばれています。その理由は◇◇だからです。部活(サークル)は**をしています。よろしくお願いします。」と言った挨拶がそれに当たる。あなたが「自己観察」したあなたの人生をエピソードとして伝えると、相手の記憶には言葉ではなく映像として残るのだ。

 次に、非言語的なコミュニケーションスキルについて解説する。「非言語的」なコミュニケーションとは、「仕草や表情など」のことである。よく目にするのは、「笑みを浮かべる癖」だ。人は緊張した場を和らげたいと思う時に笑みを浮かべる原始的な癖がある。これはサルも同じらしい。この癖がある人は、他者から叱られている時や真剣に話しかけられている時に無意識に笑みを浮かべてしまう。いかがだろうか。自分が誰かを叱っている時や真剣に話している時に相手がヘラヘラしている。どのような印象を持つかは想像に難しくないはずだ。だからこそ、さまざまな場面で自分はどのような仕草や表情をしているかを「自己観察」しておく必要があるのだ。

 リハ学生が自ら臨床実習を実りあるものにするためには、対象者や医療従事者と良好な人間関係を築くことが極めて重要になる。私がこのことに気づいて自己観察を始めたのは25歳の時であった。今からでも遅くない。あなたがリハ学生なら、ぜひ今からでも「自己観察」してみてはいかがだろうか…。

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Y.MURAYAMA|mgmt,HRM
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