2020.05.04 プログラマーの雛だった頃。「初めてのPerl 第5版」の思い出。

先日、個人的にすごい思い入れのある本を捨てた。『初めてのPerl 第5版』。

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自分の血肉となった、感謝の気持ちにあふれている本は、メルカリなどを通じてでも誰かの手に渡ってまだまだ誰かの役に立ってほしいな、という気持ちもあったが、いかんせん書き込みが多すぎてそれも出来なかった。あの頃は、大学の教科書と同じ気持ちで、本への書き込みにも何の抵抗もなかった。

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本棚の場所も取るのでどうにかしたかったので、処分しなきゃいけないけど、何も言わずに捨てるのが惜しかったので、この投稿を供養としたい。

この本を手にしたのが 2012年2月1日 であることを明確に覚えているのは経緯があるから。新卒で入った会社で、自分は2011年12月から2ヶ月に渡って「内定者アルバイト」をしていた。証券会社のトレーディングデスクで使われる株取引発注システムのリグレッションテストをひたすら打鍵するという仕事だったのだけど、自分にとってその実務経験と同等かそれ以上に貴重だったのは先輩社員たちが連れて行ってくれるランチの時間だった。激務の日々を乗りこなす先輩たちが何を考えているのか。特別意識の高い話ではなかったけど、社員として働き始めるであろう4月以降の気の持ち方を知れたことがとても貴重だった。

内定者アルバイトの最終日となる1月31日、一番お世話になった2人の先輩とのランチからの帰り道、「こっから入社までの2ヶ月間、何を勉強すればいいのかわからないんですよね」という僕の質問に答えてくれたのは、当時新卒入社4年目で "ターミネーター" と呼ばれていたKさんだった。今振り返れば、きっと彼は「そんな急いで何かをやらなきゃいけないわけじゃないよ」と思っていたのかもしれないが、そんな言葉は口に出さず、「まぁ、Perl でも勉強してればいいんじゃないの?」と言ってくれたのだった。それで翌日に本屋で買ったのがこの2冊だった。

会社の内定者向け研修で Java をひたすら勉強していた自分にとって、Perl は初めて目にする別世界だった。明示的に型を書かない世界、コンパイルのない世界、そして sed や awk に相当する処理でテキスト処理をする、といういかにも Unix っぽい仕事を解説を読みながら進めていくこと、全てが新鮮だった記憶がある。

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仕事で1回も Perl を使ったことはないし、今となっては Perl の文法自体は1ミリも覚えていないけれど、プログラミングを覚えて半年強しか経っていない自分にとって、大きく世界が変わった経験だった。リャマ本、今までありがとう!という話でした。

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