あんよはじょうず。『なるべく強く踏みつけて、』を観た

出演
金子清文
亀田梨紗
我修院達子(ゴキブリコンビナート)
吉田多希(鬼の居ぬ間に)
シミズアスナ
尾﨑優人(優しい劇団)
真辺彩加
新川眞白
谷川大吾(avenir'e)
塚越華(まぼろしのくに)
玉城栄琉(ギムレットには早すぎる)
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高橋里帆(ぼすびっち)
杉山しおん
高畑亜実
(以上三名、あんよはじょうず 。)

場所は東京は新宿、新宿村LIVE。
新宿駅から15分強歩いた場所にある劇場。
元々、気になっていた劇団ではありましたが、今回ギムはやメンバーの玉城が出演するということで、観劇を決意。
観劇前からSNS上で流れてくるヴィジュアルと稽古場の様子で、観劇期待値は高まっていたわけですが、実際の舞台はというと…
面白かったです。宣伝の期待値に負けない仕上がり。結構好みに近い作品でした。
作品のテイストは、SNSでもチラホラと見受けられるとおり、唐組のようなアングラさをベースにしつつも、現代的な作品へ作り上げているような印象。柿喰う客っぽさも感じるようなセリフ運びや遊び方も見られました。
観劇前に内容を理解できなかったという発信を目にしていたので、どんなものかと意気込んで、観劇していたのですが、身構えていたほど、理解不能なものではなく、作品の世界をすべて理解できたとまでは、思いませんが、何とか喰らいつけたんじゃないかなとは思います。多分。
軍服に扮する輝家一家と、セーラー服組の同級生組?(表現合ってるのかな)がそれぞれ話を進めたり、交錯したり、最後は結び付いて…みたいな構造でした。
耽美とはこういうことなのか、みたいなことをわからせられた気がします。
尾崎君のお芝居が好きでした。貫禄と可愛さを兼ね備えたようなお芝居。
元々、優しい劇団はチェックしていたのですが、より一層見なければという使命感を覚えています。
脚本、演出、芝居、音響、照明、衣装、宣伝、案内、公演に関わる全てにおいて、団体がしたいこと、魅せたいことといううのが統一されていて、会場についてから出ていくまで、魅了されていました。
ここまで、やりたことがハッキリわかると、お客さんはのめり込めるという、パフォーマンスの側面を発見できたことが、個人的には収穫でした。
2点だけ、個人的にはこうしたかもなというのがあって、一つが音響について、もう一つが映像についてですね。
音については、もっと数が欲しかったです。具体的には、俳優の殴る蹴るにSEを入れたり、場転やモノローグで、芝居を力づけるようなMEが欲しかったです。アクションに対するSEは芝居の出力によっては、寒くなるのでいらないものもあることはあるんですけど、今回の作品は、あって欲しかった。俳優や照明が舞台装置などが、作り上げているおどろおどろしさみたいなものが、無音の暴力の優しさによって、すこし和らいじゃう瞬間があって、気になっちゃいました。
あと、MEについては、音が鳴っていることには意識がいかないけど、静寂の中の俳優の芝居よりも、集中しちゃうような音効みたいなものがあると、観客の舞台への意識が変わるんじゃないかなと思いました。なんていうんだろう、ノイズキャンセルみたいな機能のある音響効果が今回の舞台にあると、もっと良くなったんじゃないかと考えています。
とはいえ、好きでした本当に。この作品をまた観たいし、あんよはじょうず。の他の作品を観たいです。
そして、玉城がこの舞台を通して何枚も皮がむけた様子を伺えて、本当に良かった。自分も負けじと演劇します。そう思わせてくれる舞台でした。ありがとうございます。

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