14+『トピカペニア』
8/7(月)19:00
ぽんプラザホールにて14+の『トピカペニア』を見てきました
14+の作品は、大学1年生の冬に『マンシューまで15分』を見て以降、ハマっております
以下感想
恐らく、宗教二世のことを取り扱った作品。これまで見た、このテーマを取り扱った作品や世間のイメージと違って、子である澪(佐藤柚葉さん)と観劇者にとって、親が憎みきれない存在で描かれていたのが、リアリティを感じた
身内を憎みきることは難しいですよね
このテーマに気づいた時、この作品を韓国・釜山で上演することが脳をよぎり、公演として挑戦的だなと感じました。
作品のことの前に、公演のことについて触れると、このテーマで韓国に行くことも含め、公演としての組み立て方が、あまりにもレベルが高く圧倒されました。
そもそも、少なくは無い上演日程の客席をを、当日券待ちを出すほど埋めつくし、作品を楽しみにする人達の客入り中のざわつき、終わったあとの満足した様子の会話、物販までの誘導
商業演劇にも引けを取らない凄みを感じました。
制作者として、刺激を受けた公演でした。
さて、作品に話を戻すと、過去の決断しきれなかった出来事が現在に蝕んでいく様子をカビと絡めていく展開で、澪が何に葛藤しているか分かりやすく、作品に取り残されることなく、見られました。
澪にフォーカスが当たりまくってたぶん、ほかのキャラクターの性格であったり、芯をつかみ切る事は出来なかった気がします。
特に西(立花恭平さん)がリコールを話題に出した時、もう少しだけ彼の大事にしているものが見えると良かったなと個人的には思います。
キャラクターのそれぞれの性格や役割などは十分に分かったので、澪以外のドラマが垣間見えるとより想像の余地が生まれたと思います。僕は。
キャラクターのドラマ性の話をすると、江頭(雪丸朋美さん)が強烈でした。比較的登場が遅いにも関わらず、彼女がどんな人なのか、何を芯にして舞台上にいるのか、ビンビンに伝わってきました。
俳優の所作によって、キャラクターの深みを増す様子も見られました。
特に石黒(村上差斗志さん)、児玉(古澤大輔さん)、母(原岡梨絵子さん)、江頭は一つ一つの所作がキャラクター性を深めてくれて、安心して見られたり、無視することが出来たような気がします。
あんな、所作ができる俳優になりたいです。
空間演出についても触れたいです。
美術と照明が神がかっていました。
ブラックライトによって、顔を変える植物。
灯体の高さによって、美術に匹敵する俳優の身体
全てが、良かった。
あと、ぽんのあの絶妙なスペースがディスプレイになっていたのがとても良かった。
とても、満足度の高い公演でした。
精進します。
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