苺
夕方にスーパーマーケットへと行って
苺と晩柑を買った
スーパーマーケット入口のすぐそばに
目玉商品なのだろう
苺のパックが並べられていて
いつもならば
ダイエット中は我慢と
素通りするのだ
今朝起きがけに疲労感があり
気が付くと つ か れ た と声に出していた
一体何が起きたのかと
自分で自分を持て余しそうになった
昨夜もひとときの寛ぎが欲しくなり
檸檬サワーを一缶飲んだのだけれど
事業を運営することへのストレスか
それともダイエットでのそれなのか
ふとふと考えてみたのだが
それらに全くストレスを感じていないかというと
それはそれで違うのだけれど
ここまでの疲労感を纏うほどのものでもない
ああ
みんな疲れているのだと
誰もいない部屋うちで呟いてから
新型ウイルスによる閉塞感によるものと
気が付いたのだった
いつ終わるのかわからず
若しや自分自身が感染源になっているかもわからぬ
そんな日常の中で
皆がみな焦燥や不安にとらわれながら
生きているのだ
今この日々を人々は
どのようにして日常としているのだろう
買い物かごから匂い立つ苺の香りを
それがあたかも形となした
やすらぎであるかのように
たいせつにたいせつに
かかえもち
夕方の街から帰路についたのだった