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メンバーからの信頼あってのリーダーシップ

『これからのリーダーシップ』を読んでいて、
いまさらながら「リーダーっていうのは、メンバーから認められて初めてリーダーになる」ってことに気がつく。

リーダーになるには3通りあって、
①任命
②選挙
③自然発生

会社や組織で多いのが①、
政治の世界などでは②、
③はどういう場合なんだろうか。

子どもの世界では③がしばしば起きるし、
学校や研修でのグループワークでも③のリーダーが生まれやすい。
というか、研修でのグループワークに③が発生しないと、
もうすでにそのグループワークは終わっている。

3通りの中で、一番強いリーダーは③で、
①②はそのポジションにいられなくなると、
とたんに周りからだれもいなくなる、という悲しいことになる。
人事権や予算権などの権限が、その人のリーダーシップを支えているから。

権限がないところでどうやってリーダーシップを握るか。
「信頼蓄積理論」というのがあって、
まずは「同調性」を示す。

同調性とは、そのチームのメンバーが行ってきた仕事の手順や、大切にしている規範などを尊重し、重んじることを意味します。

『これからのリーダーシップ』 p68

そのうえで、「有用性」を発揮する。

有用性とは、チームの課題達成への積極的な貢献です。

『これからのリーダーシップ』 p69

こうして、メンバーへの同調性を示し、
自分の有用性を発揮し、
同調性・有用性が認められて、信頼が蓄積される。
そこでたとえば、変化を起こしてくれる人材として認知され、
組織なりチームなりを改革することが可能になる。

こうした過程を経ないでリーダーシップを発揮しようとしても、
なかなか上手くいかない。
メンバーがいうこときかない、目標達成ができないから、
罰を与えたり叱責したりして人を動かす。
報酬を目の前にぶら下げて人を動かす。

なんていうことのほうが、
実際の世の中には多いんじゃないだろうか。
ということに、改めて気がつくことができた『これからのリーダーシップ』だった。


『これからのリーダーシップ 基本・最新理論から実践事例まで』 堀尾志保、舘野泰一 日本能率協会マネジメントセンター 2020年