メンバーからの信頼あってのリーダーシップ
『これからのリーダーシップ』を読んでいて、
いまさらながら「リーダーっていうのは、メンバーから認められて初めてリーダーになる」ってことに気がつく。
リーダーになるには3通りあって、
①任命
②選挙
③自然発生
会社や組織で多いのが①、
政治の世界などでは②、
③はどういう場合なんだろうか。
子どもの世界では③がしばしば起きるし、
学校や研修でのグループワークでも③のリーダーが生まれやすい。
というか、研修でのグループワークに③が発生しないと、
もうすでにそのグループワークは終わっている。
3通りの中で、一番強いリーダーは③で、
①②はそのポジションにいられなくなると、
とたんに周りからだれもいなくなる、という悲しいことになる。
人事権や予算権などの権限が、その人のリーダーシップを支えているから。
権限がないところでどうやってリーダーシップを握るか。
「信頼蓄積理論」というのがあって、
まずは「同調性」を示す。
そのうえで、「有用性」を発揮する。
こうして、メンバーへの同調性を示し、
自分の有用性を発揮し、
同調性・有用性が認められて、信頼が蓄積される。
そこでたとえば、変化を起こしてくれる人材として認知され、
組織なりチームなりを改革することが可能になる。
こうした過程を経ないでリーダーシップを発揮しようとしても、
なかなか上手くいかない。
メンバーがいうこときかない、目標達成ができないから、
罰を与えたり叱責したりして人を動かす。
報酬を目の前にぶら下げて人を動かす。
なんていうことのほうが、
実際の世の中には多いんじゃないだろうか。
ということに、改めて気がつくことができた『これからのリーダーシップ』だった。
『これからのリーダーシップ 基本・最新理論から実践事例まで』 堀尾志保、舘野泰一 日本能率協会マネジメントセンター 2020年