ラーメン屋なんだけど「キャンデーヤ」
チャーシューはお店の気まぐれで大きさが変わるらしい。
釜石の「キャンデーヤ」のラーメン(メニューでは「中華そば」)に入っているチャーシューは、ふつうに大きい。
だけど、
「ときどきさらに大きい『あたり』が入っているんですよ」
とガンちゃんはいう。
ガンちゃんはフェリアス釜石(釜石まちづくり株式会社)のInstagram( #feriaukamaishi )で釜石で食べられるランチのレポートを毎日上げていて、
それがめちゃくちゃ美味そうなので、月イチで連れて行ってもらうことにした。
「ガンちゃんといくかまいしごはん」
今回は、「キャンデーヤ」。
キャンデーヤには、中華そばと味噌おでんと味噌おにぎりとライスと半ライスしかない。
しかも、中華そばを単品で注文するのはわたしだけで、
ガンちゃんは中華そばと味噌おでん、
ほかのお客さんもすべて、例外なく、
中華そばと味噌おでん
中華そばとライス
中華そばとライスと味噌おでん
を食べる。
釜石では、ラーメン+一品(餃子、半チャーハン、半カレーほか)が主流だけど、
あらゆるお客さんが+一品(味噌おでん、味噌おにぎり、以下省略)。
う〜ん、なんでなんだろう、と、
爆食いしているガンちゃんを見ながら、
自分もデカすぎるチャーシューと格闘しながら考えていた。
もうひとつ考えていたのは、
「なんでキャンデーヤなんだろうか」
お店の正式名称は「佐々木食堂」だ。
なのにみなさん「キャンデーヤ」としかいわない。
なんで?と、地元の友だちに聞くと、
「むかし、アイスキャンデーを売ってたから」
という。
みんな、そういう。
でもわたし、なんか合点がいかない。
アイスクリーム売るお店ねえ……。
う〜ん……。
お店の人に聞いても、
「むかし、アイスキャンデーをつくって売ってたから」
と。
どうもモヤモヤするので、facebookの「釜石ラーメン麺友会」グループに質問を投げてみた。
【教えてください】今日キャンデー屋に行ってきました。すごく美味かったです。
でもなんで、キャンデー屋って呼ぶんですか?お店の人に聞いたら、「昔アイスキャンディーを作っていたから」ておっしゃいました。それだけなんでしょうか?教えてください。
そしたら、コメントが入って、
「多分それだけだと思いますよ。
器にも書いてありますから」
とあっさり教えていただけた。
じゃあもうそうなんだな、と諦めていたら、もうひとつコメントが。
「釜石の隆盛のころに釜石工業高校、商業高校の生徒のお腹をアイスキャンデーって当時のあこがれでしたからね。キャンデーヤ、ジュースヤ、貧しかった時代です」
ああそうだったそうだった、とようやく腑に落ちた。
アイスクリームじゃなくて、アイスキャンデーだ!
自家製なんだ。ほかに売ってる店がないんだ。
スーパーもコンビニもない、駄菓子屋はあるけど駄菓子だけしかなく、
いろんなメーカーのアイスが入れてあるアイス専用の冷凍庫、
いろんなメーカーのジュースを冷やしているジュース専用の冷蔵庫、
そんなのがまだない時代、高校生たちのあこがれの「キャンデー」。
そいうえば、わたしがすごく小さいとき、
ばあちゃんはアイスクリームのことを「キャンデー」っていってた。
「アイス」ついてなかった。
アメのことは「キャンディー」だった。
キャンデーとキャンディーは別物だった。
キャンデーがあこがれで、
そのあこがれを売っていたお店「キャンデーヤ」。
放課後、走っていったかぶらぶらしていったかそれぞれだろうけど、
毎日買えるものでもなかったのかもしれないけど、
冷たい甘いキャンデーが食べられるお店。
なるほど~、納得できた。
(FBで回答していただいて、ありがとうございました)
で、そのFBに、回答ではないコメントがあった。
「ぶっちゃげチャーシューを1/4にして麺を増量して欲しい」
「大盛りあるといいですね」
「麺増量の分、チャーシューを小さくしないといけませんね」
「じゃないと、スープが溢れてしまいますからね」
あああああ! そうだったのか!
なんでみんなキャンデーヤでは、
+一品(味噌おでん、味噌おにぎり、以下省略)
なのか、ナゾが解けた!
肉には満足しているけど、麺がほか店のラーメンより少なくて、
それで中華そばだけではなんとなく「ん?」的な感覚が食後に残る。
その「ん?」を満たすために、+一品(味噌おでん、味噌おにぎり、以下省略)か!
しかもライスの量が半端ない(写真撮り忘れた)。
半ライスはぎりぎり半ライスといってもいいかもな量なんだけど、
ライスはどんぶりで大盛りごはん。
半ライスの3倍ぐらいあはる。
もっと食べたい! だから……。
という仮説が成り立つのではないだろうか。
きっとそうに違いない。
(ここ、極めてローカルな話題で申し訳ない……)