古代の海からの便り
目の前に牡蠣に、レモンをちょこっとしぼって食べる。
それは2000年前にローマ人が風呂上がりに食べていたのと同じ牡蠣。
古代ローマ人からのメッセージが込められているような、
なんかロマンチックな気分になった。
ヨーロッパヒラガキが三陸山田の海で養殖されている。
世の中にはほとんど流通していない。
「幻の三陸ヒラガキを味わう会」
が釜石のCHEZ MARCOで行われた。
CHEZ MARCOは地元でとれた食材を上手に使って調理するフレンチレストラン。
ときどき「味わう会」を知り合い限定でやっていて、
昨日はその「幻の三陸ヒラガキ」を味わう会だった。
ブロン種の牡蠣は1952年、オランダから日本に持ってこられた。
宮城、岩手、青森で養殖試験が行われていたが、
2000年代に入って中止。
2011年の東日本大震災の津波で流出してなくなったかと思われていたが、
岩手の山田湾で野生化して生存していることが確認された。
地元では「フランス牡蠣」と呼ばれていた。
発見者であり養殖者である福士たかひろさんは、
「漁協に相談したけど相手にされなかった」
と笑っていたが、
SNSで知ってすぐに調べて論文にした寺本沙也加さん(岩手県水産技術センター増養殖部専門研究員)と、
すぐに「味わう会」を開いたCHEZ MARCOの宮崎洋之さんの連携プレーは見事だった。
それにしても宮崎さん、よくこんな料理方法を思いつくなあ。