見出し画像

それでもわたしは釜石線に乗る

5時13分発の釜石線で盛岡へ。
いつも通り、空気を運ぶ釜石線。

8時過ぎに盛岡に着いて、
オンラインミーティングをふたつこなして、
県立美術館に歩いていく。

午前中は美術館で過ごして、
午後は映画を見に中劇へ。

映画館で時間まで本を読んだりウトウトしたり、
「そういえば」、と前の日の釜石高校SSHの課題研究中間発表会を思い出していた。
中間発表会はポスター発表の形式で行われ、
8分間でプレゼンテーションと質疑応答をし、これを繰り返す。
わたしが参加したのは、

・本屋の不況の打開策を考える
・人びとに愛される音楽の特徴〜バズる音楽とは〜
・いじめをする子どもの精神状態
・大人の防災意識を高める
・釜石の観光客を増やし、街を活性化させるには?
・カメムシの臭いに有効な消臭法とは
・3Dプリンター住宅の耐久性について

どれも「そういえば」どうなんだろう、っていうテーマ。
特に「大人の防災意識を高める」なんてステキすぎる。
子どもたちは気がついている。
実は、オトナはすでに忘れていることを。

建築好きな生徒のチーム

もうひとつ。
・映画と現実のつながりから考える

このプレゼンをする生徒の映画に関する知識が豊かで、
聞けば月に7本は見ている、と。
釜石に映画館はなく、盛岡、一関、北上にまで遠出する。
「父に連れて行ってもらいます」
やっぱり、クルマか。

盛岡、一関、北上までは釜石線と東北線に乗り換えていける。
土日は日帰りパスが発行されて、ほぼ半額近くの値段でいって帰ってこれる。
でも、釜石の人たちは鉄道を使わない。
遠野からは花巻へ向けて高校生がどっさり乗ってくる。
土日はちょっと減るが、それでも部活があるのか、ジャージで高校生が乗ってくる。
釜石から遠野までは、乗ってる人はホントに少ない。
もしかすると、知らないうちに釜石ー遠野間のみ廃線になって、
釜石線は「遠野線」に名称が変わってる、ってことになりはしないか。

釜石線は「不便だから」と釜石の人は乗らないが、
それでも釜石線はなくならないと思っている。
釜石線存続のための集まりにも、鉄道に並行している高速道路を使ってクルマで参加している。
なくならないのは、遠野ー花巻間がそれなりに儲かっているからで、
合理的に考えれば、釜石線は「遠野線」でいいはずだ。

帰り道、盛岡からの快速はまゆりの指定席が満席。
花巻か遠野で降りるだろう、と思っていたら、
そのツアー客たちは釜石まで乗ってきてくれた。

珍しい。ありがたい。
釜石線を「遠野線」で十分だ、なんていってたらバチが当たる。
やっぱり釜石線は釜石線だ。

来週末も釜石線に乗る。
今月末も釜石線に乗る。
わたしの旅や移動はいつも、釜石駅から始まる。