東京にある秩父宮ラグビー場を見下ろしながら、
ランチでもなくディナーでもなく、お茶会だった。
早稲田大学名誉教授の内田和成先生と、
2012年度履修のWBSリーダーシップ論・大隈塾の
「修了10周年記念大同窓会!」
参加者は8人、大同窓会とはいかなかったけど、
こじんまりとしていて、
幹事のG2(辻貴之)さんいわく、
「その分会話のパスをみんなで回せた」
ので、2時間あっという間だった。
パス回しといえば内田先生のパス回しが絶妙で、
最初はみんな、どこかよそ行きの服を着てしゃべってるみたいな感じがあったけれども、
パスを出しながらみんなから上手に近況を引き出したり、
ときどき短いパスを出して、人生の痛いところを突いていったり、
長いパスを投げて、ヨーロッパやアメリカと日本の物価について解説したり。
知識と経験と人脈の、わたしたち(少なくともわたし)との格の違いを感じさせてなお、爽やかな感じがするぐらいの名人芸を味わった。
「それで、むらたさんはなんかいうことあるでしょ」
というキレイなパスが回ってきたので、
選挙のことだと思って、
「実はこんど、釜石で……」
というと、
「いやいやいや、その前になんで釜石なの?」
という、意外とショートパスだったりして、
「それはつまり、離婚をしたからなんですけど」
と、2020年に釜石に移住してきたいきさつを、
ご参加いただいたみなさんに披露することになった。
カミさんだった蓮舫から突然離婚しようといわれたのは、
わたしにとっては青天の霹靂ではあったが、
彼女は彼女でちょっと考えていたのかも知れない。
理由はどうあれ、自分の意志を変える人ではないので、
彼女が決めたことは覆せない。
というか、覆せそうとすればそれは、わたしにとって逆にすべてを投げ捨て打ち捨てジタバタとすることになるだろう。
であれば、示された選択肢を、自分の力で正解にするしかない。
子どもたちも社会に出て働き出したし、
コロナでどこにいてもオンラインで仕事ができるようになった。
仕事は大丈夫、ならば住むところはどうかと考えたら、
鎌倉とか葉山とかのキラキラ系でも、
軽井沢などのリゾート系でも、
千葉鴨川の里山系でも、なんかしっくりいかない。
ふと、「釜石!!!」
釜石に行こう!
と決めてすぐに、親友はまちゃんに連絡して、
アパート探しを始めた。
そして8月19日早朝、東京の家を出て、
いつも乗ってる始発の盛岡行の新幹線で新花巻を、
そしてそこから釜石を目指していった。
内田先生はにこやかに、
「なんで釜石だったのかを聞きたいね」
とおっしゃるので、なぜ移住先を釜石にしたのか、
をその場でしゃべったけれども、それはまた次回に続くということで。