何もしない時間を過ごして得られるものは
三陸鉄道に乗って釜石から吉里吉里(きりきり)へ。
大隈塾の釜石スタディツアー最終日。
吉里吉里駅から歩いて吉祥寺へ。
坐禅体験。
ご住職の高橋英悟さんから基本の作法を習って、
足を組んで静かに坐る。
息を整える、目を半開きにして45度の角度を見つめる。
(わたしは全閉じが好きなので目をつぶる)
扇風機の羽がブーンと高速に回る音、セミの声。
ほんのわずかの時間だったけど、
何もしない時を過ごした。
心が整った。
吉祥寺は2011年の被災時、
近隣住民250人の避難場所になった。
50日間もの運営に携わったご住職は大隈塾の受講生たちに問う。
「あなたの宝物はなんですか?」
宝物とは、モノであろうかカネであろうか。
モノやカネでは人は満足しない。
モノやカネは奪われることもある。
家もクルマもなくして助け合って暮らしていた避難所。
他人を思いやる心、
他人への気遣い、
これが何よりの宝物だった、と、ご住職はいう。
「そして、心は奪われません」
お釈迦さまの悟りも教えてくれた。
「それはつまり、智慧と慈悲」
本質を見抜く力と、人の苦しみを自分ごととする心。
また心が整った。
みんながバスに乗って新花巻駅に向かう途中、
ますとの湯近くでわたし一人下車。
サウナで身体と気分を整えた。