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合同チームの可能性が見えた
子どもの数が少なくなって、チームが組めない。
いくつかの学校の児童生徒が集まって合同チームをつくる。
高校野球によく見られるのはそれだけ注目度が高いからで、
ホントはサッカーもラグビーも、比較的少人数でできるバレーボールやバスケットボールでも合同チームの例はよくある。
合同チームは単独のチームより弱い。なぜなら……、
というのは固定された概念であり、偏見である。
と、昨日の「釜石絆の日」でそう思った。
2019年9月25日、ラグビーワールドカップ日本大会での釜石開催の日。
フィジー対ウルグアイ戦がうのスタ(釜石鵜住居復興スタジアム)で行われた。
のを記念して、毎年そのあたりの週末を「釜石絆の日」として、
ラグビーの交流試合が行われる。
今年の絆ジュニアマッチ(中学生)は、
釜石シーウェイブスアカデミーと弘前サクラオーバルズとの合同チームと、
静岡ブルーレヴズラグビースクールとの戦い。
単独チームだし選手の人数多いし体格のいい選手も何人かいるので、
こりゃ静岡ブルーレヴズ圧勝かな、と試合前の練習を見て思った。
いい感じでパス回しができているし。
でも、試合が始まると、合同チームががんばった。
大きい選手に小さい選手がタックルにいって一発で倒し、
アタックではボールを持った選手のフォローにちゃんと走って、
タックルを受けても味方の選手にちゃんとつなぐことができてるし、
ミスをしてもカバーできてることもよくあった。
コミュニケーションがとれていて、
ずっといっしょにトレーニングしてきたみたいだった。
結果は38-5で釜石・弘前の合同チームの勝ち。
点数こそ開いたが、見ごたえがある試合になった。
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弘前サクラオーバルズのコーチに聞いたら、
前日初めて両チームで合同練習した。
まったくダメだった。ダメダメだった。
練習後のミーティングで、コーチは選手たちに
「目的はなに? 目指すべきところはどこ?」
と、一人ひとりに考えさせた。
そのあと、
「そのために必要なことはなに?」
とさらに考えさせた。
そして、グループで対話し、そのあとみんなで対話した。
その結果が、次の日の試合にあらわれた。
ここに合同チームの可能性が見えた。
基本的なスキルがあれば、
あとは自分たちで考え、
コミュニケーションをとって、
パーパスを一致させる。
ということは、毎日とか毎回とか、いっしょに練習しなくてもいい。
ときどき集まってやればいいわけで、
コーチ、教員の負担も、選手たちの負担も、家庭の負担も軽くなる。
人数が少なくなったとはいえ、それはそれでちょうどよかった、「それちょ」だ。
悪いことばかりじゃない。いいこともある。