見出し画像

ん? おや? あれは? と思った。

女の子だ!
女子の選手だ!

4月1日から3日まで行われた「東北復興高校ラグビー交流会2023」。
常翔学園(大阪)、東福岡(福岡)、札幌山の手(北海道)、慶應義塾(神奈川)、桐蔭学園(神奈川)、天理(奈良)、国学院栃木(栃木)、仙台育英(宮城)、福島合同チーム(福島)、黒沢尻工業(岩手)、秋田工業(秋田)、青森山田(青森)の12チームが釜石に集まって、総当たり戦で交流試合をした。

交通の便が悪い釜石までよく来てくれたなあ、
と、ありがたい思いで胸がいっぱい。
でも、なんとかこの交流会を毎年やれるようにしたいなあ、
と、希望に胸を膨らませながら、
釜石鵜住居復興スタジアムで3日めの試合を観ていた。

そしたら、男子の選手に混じって、女子の選手がプレーしていた。

常翔学園のスクラムハーフ。
キビキビとボールをさばいて、
きちんとディフェンスもこなしている。

国学院栃木 vs 常翔学園

感動した。
常翔学園といえばかつての大阪工大高校。
名門のチームだから、ラグビー部員はたくさんいるだろう。
その中から女子選手を選抜して遠征につれてきて、
男子といっしょに試合に出す。

もちろん公式戦ではありえないことで、
交流試合だからこそのことなんだけど、
指導者の先生の柔軟さというか公平さというか、
その指導方針には感激した。

昨日も書いたが、福島合同チームには「一人部員」の選手がいた。
いろんな高校からの選抜チームである福島合同チームには、
ある高校でラグビー部に部員が一人だけしかいない、
一人で黙々と練習したり、
ほかの高校の練習に参加したりしながらラグビーを続けてきた選手を、
合同チームに入れて、トップレベルの試合を経験させる。
福島の先生、やるな~と思った。

3日めは福島合同チームは地元に帰っていなかったが、
その代わりでもないけど、常翔学園の女子選手の活躍が胸を打った。

そして。

各チームから選ばれた選手たちによるドリームマッチ。
スポンサーが用意してくれたジャージを身にまとい、
青を基調にしたジャージは「ドリーム・ブルー」、
白を基調にしたジャージは「ドリーム・ホワイト」。
どっちのチームにも各チームからの選手たちが参加していた。
つまりたとえば、ブルーにもホワイトにも東福岡の選手がいて、
ブルーにもホワイトにも札幌山の手の選手がいるチーム編成。

だからなのか、力は拮抗してゲームはシーソーゲームになり、
最後にホワイトがトライを決めてノーサイドとなった。

みんなで笑顔で記念撮影して、それぞれのチームが帰路についた。
そして最後になった天理高校の選手たちは、
スタンドのゴミ拾いしてスタンドをあとにした。

年度初めの月曜日の日中で、
それほど観客もいなくて、ゴミなんて落ちているはずもない。
だからいいや、ではなく、
ちゃんとゴミ拾いのためにスタンドを歩き回っていた天理高校。

一人部員、女子選手、ゴミ拾い。
わざわざ釜石まで来てくれたこと。

泣いてもいいですか? っていう気分になった。

メインスタンドのゴミを拾う天理高校の選手たち