「思い込みだね」
昨日の釜石市議会。
すっと手を挙げるわたし。
「村田信之さん」
議長が指名する。
よいしょと立ち上がって、質問を始めるわたし。
「釜石だけ産婦人科が書いてない。その理由を問う」
みたいに、資料を指さして。
議場がざわつく。職員たちが「え!」という顔をしている。
岩手県立病院の経営計画について担当部署からの説明があり、
質疑応答の部分になったときのこと。
岩手県では、医者が不足している。
日本で一番、医者がいない。
10万人あたりの医者の数でいうと、
全国平均262人のところ、岩手県では218人。
医師最少数県。
だから、市町村それぞれで医療をやるのではなく、
全県を9つの医療圏域に分けて、
広域医療をするようにしている。
医者が少ない岩手県の中でも釜石圏域は最下位。
ということは、日本で一番医者の数が足りていない。
ということで、釜石では唯一の出産ができる施設だった県立釜石病院が2021年10月から分娩をやめ、釜石では赤ちゃんが産めなくなっている。
ざわついている議場。
議員たちの席から
「書いてあるよ」
の声。
(え???)
資料を確認した。
「産婦(人科)」と書いてある。
やってしまったー。
確認ミス。
ざわついていたのは、「こいつ変な質問してるぞ」ということだった。
確かに、出産はできないけど、診察はやっている。
県立釜石病院には産婦人科はある。
(それでも診察は毎日ではない)
すぐに質問を取り下げた。
「思い込みだね」
会議が終わってから、同僚の議員がいう。
その通り、思い込みで質問をしてしまった。
「釜石では出産ができない」問題をどうにかしたい、
出産ができなくても産前産後のストレスを軽くして、
産後ケアを手厚くして、
とこれまで活動してきていて、
それでつい、きちんと資料を確認せずに……。
ちょうど直前に、市側が議会から議決を得ないで施策を執行して、
それを陳謝、追認を求めたばかりのこと。
ミスをなくしましょう、と求めたり、
緊張感が足りない、と叱責したばかり。
そこに、わたしは思い込みによる発言を。
アンコンシアスバイアス(無意識の偏見)。
ああ。やってしまった。