自分に選択権がある、ことは幸福に直につながっている
「『複業会社員』がこれからのスタンダード」
ってタイトルが上手だな、と思った。
フリーランスでいくつも仕事をしている、
のではなく、
正社員としてひとつの会社に所属しながら、
複業でほかの仕事を持つ。
「ほかの仕事を持つ」という意味では「パラレルキャリア」であり、
その仕事と仕事が重なり合う部分があるとすれば、
それは「クロスオーバーキャリア」でもある。
パラレルキャリア研究所の慶野英里名さんと、
サイボウズの青野慶久さんとのトークイベント。
サイボウズは働く自由度がすごく高い会社で、
複業してもいいし、出社しないでリモート勤務でもいいし、
「100人が100通りの働き方ができる」(青野さん)
で、「◯◯の部署に異動させてください」と部下が申し出れば、
「上司はそれを断ることができない」(青野さん)
なので、社内での仕事(部署部門)も自由に選べる。
あろうことか、
「複業採用もありです」(青野さん)
つまり、
「いまいる会社がメインで、うちの会社が片手間でもいいから、仕事しませんか?」(青野さん)
という採用。
「そういう人って、週イチでもパフォーマンス高いし、そんな人をフルタイムで採用しようとなんてこの人手不足の時代にはムリでしょう」(青野さん)
ということでサイボウズでは、
社内でアウトソーシングできるぐらいに、
みんな仕事とか知識とか人脈をもっている。
一人ひとりの働き方の自由度を上げた結果、
メンバーの主体性も上がり、
チームワーク化がどんどん進んだ。
自由度が上がるということは、
その仕事の責任は会社ではなく社員自身ということになり、
主体性が上がるということは、
その仕事に失敗しても会社のせいではなく、自分のせいである、ということになる。
「つまり、一人ひとりが経営者の目線になる、ってことですね」(慶野さん)
なるほど。働く自由度がないのに、責任を背負わないのに、
経営者目線になれ、というのはムリがあるのはそういうことで、
社員に「経営者目線をもって」欲しいと願うならば、
仕事の自由度を上げてあげないといけない。
これが「複業会社員」がこれからのスタンダードになる、ということか。
だけど青野さんはいう。
「複業会社員」が正しいかどうかはわからない
と。
自分で選べる選択肢があることと、自由であることには、
このさきどうなるかわからない不安はつきもので、
選んだ選択肢が正しいかどうか、誰もわからない。
ただ、選んだ選択肢を正解にするだけだ。
だけど、自分で選べる、自分に選択権があるってことは、
幸福に直結しているんです。(青野さん)