e-Edu10周年記念イベント

最高の教育を世界の果てまで届ける

e-Educationの10周年記念イベントにいってきた。

最高の教育を世界の果てまで届ける

をミッションにしているNPOで、
2010年、大学生3人が始めた。

バングラデシュのグラミン銀行でインターンをしていた税所篤快くん。
マザーハウスのインターンでバングラデシュにいた三輪開人くん。
アジア最貧のバングラの首都ダッカから、
船で6時間もかかるハムチャー村が、彼らのスタート地点。

バングラは、高校レベルの先生が圧倒的に足りない。
だから、高校の教育を受けれる人が限られている。
予備校に通う財力がなければ、大学入試に合格できない。
だから、教育格差が圧倒的についてしまう。
農村の若者は、単純労働しか職業につけない。
だから、貧困の再生産が起こる。

この問題を発見した二人は、
あろうことか、パソコンを担いでハムチャー村へ行く。
電気もまともに通ってないハムチャー村には、
ランプの薄暗い光の下で、
擦り切れた教科書を音読するしかない少年がいることを知っていた。
その少年に、ダッカで最高の授業をする予備校の先生の授業を収録した映像を見せた。
少年は驚いた。チョー有名な先生が、この小さなハコの中にいる!
……とまではいかないが、チョー有名な先生の、ホンモノの授業だ。
「これはどういうことだ?」
少年は尋ねた。
「ダッカのマヒンという大学生が、先生に頼み込んで撮ってきた」

その年の受験シーズン、ハムチャー村から名門ダッカ大学に合格者がでた。
現地の新聞やテレビでもとりあげられた。
バングラデシュ版「ドラゴン桜」として、
日本でも知られるようになった。

この3人の活躍とミッションに共感した大学生が次々と参加し、
フィリピン、インドネシア、ミャンマー、ベトナム、
ハンガリー、ルワンダ、ガザ、ヨルダン、などに散らばって、
ベースは同じだけど各地の事情に合うように工夫をして、
ホントに「最高の教育を世界の果てまで」届けようとしている。

彼らを支え続けたのが、一橋大学の米倉誠一郎先生。
米倉先生は、相談に来た税所くんと三輪くんに、
行動規範、人生の指標を示した。
人生はしょせん、選択肢は

やるか、やらないか

のふたつしかない。
判断基準も、

おもしろいか、おもしろくないか

のふたつしかない。
たとえおカネが儲かっても、
おもしろおかしくできなかったらやるべきじゃないし。
おカネがもうからなくっても、
おもしろかったらやるべきだ。

そして、そのやり方に

むずかしい道と、やさしい道

があったとしたら、むずかしい道を選べ、
なぜならばキミたち若者は、

失うものはないに等しい

米倉先生は、
「ITが進んで、教師の役割は、知識を伝達することではなくなった」
では教師の役割は何になったのか。
「教育を通じて、社会を変革すること」
だという。

税所くんと三輪くんと、ほかの創設メンバーたちに会いに行こうと思っていったら、
ものすごい収穫があったのは、このひと言だけではなかった。
5つのセッションで8つのパネルディスカッションが行われた。
それぞれに学びが詰まっていた。

わたしにとっては「もう10年か」なんだけど、
たった10年でこの成長は、感動的でもある。

しかし感動してはいられない。
わたしにも、
世界の東の果ての日本で、
やらなきゃいけないことがたくさんある。