ワシントン支局長の「インタビューで大事なこと」
アメリカの大統領がトランプからジョー・バイデンに代わって、
メディアの記者たちはまともに仕事をしなくてはいけなくなった……。
日本経済新聞ワシントン支局とリアルタイムでつないで、
支局長からレクチャーを受けた、昨日の「春休み大隈塾」だった。
支局長兼コメンテーターの菅野幹雄さんは冒頭のように、
アイスブレイクとしていっていた。
「これまではトランプのツイッターを見てればよかったんですけど笑」
講義の中盤に差し掛かったころに、
「インタビューの要諦」として5つのポイントを指摘。
・礼儀正しく
・相手のことを徹底的に勉強する
・心を動かす(称賛する、刺激する)
・聞き役に徹する
・自説、仮設をぶつける
これはとても大事なことだと思った。
まず「礼儀正しく」は、学生たちにとって意外と難問。
もちろん、礼儀を知らないわけではないし、挨拶はできる。
けれども、初対面の人に話しかけるときに、
まずは自分が誰であるのか名乗りましょう、
ということに気が付かない。
ついつい、質問から先に出てきたりするし、
オンラインではそうでもなくなったが、
約束の時間に遅れることは頻繁にある。
遅れるメッセージを出せば免罪符になると思っていたりする。
相手のことを徹底的に調べ上げること、
準備することも怠れない。
インタビューだからそこそこ答えてはくれるものの、
インタビュアーが不勉強だとわかったとたんに、
インタビュイー(される人)は答えるモチベーションが下がることはよくある。
モチベーションが下がれば、答えに精彩がなくなるのも当然で、
彩りの少ないインタビュー記事がおもしろいわけがない。
「心を動かす」はけっこう高等テクニック。
称賛、つまりホメるのはそこそこできるかもしれないが、
刺激を与えるのは、怒らせるということではない(ことでもあるけど)。
インタビュイーが情景を思い浮かべることができるように、
感情を思い起こすことができるように、
「相手のことを徹底的に勉強」していないといけない。
心を動かすというのは、そういうこと。
「聞き役に徹する」は、記者としては当たり前すぎる。
けど、講演やセミナーなどでありがちなのは、
質問しているのか自説を展開しているのか、
判然としない人もいる。
会場の全員がイラッとしているのに、とうとうとしゃべり倒す。
逆に、自説も仮設もなく、ただ「これってどう思いますか?」
と問うだけになりがちなのが、学生たちの課題。
「わたしは◯◯って思うんですけど、それってどうですか?」
と質問したほうがずっといい答えが返ってくる。
・礼儀正しく
・相手のことを徹底的に勉強する
・心を動かす(称賛する、刺激する)
・聞き役に徹する
・自説、仮設をぶつける
こうした基本的な「要諦」を、支局長自身が忘れないでいる、
ということが、なんかちょっとうれしかったりした。
インタビューだけではなく、オトナとしての要諦でもあるんだろうな。