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昨日よく行く居酒屋で、長崎から来たお医者さんに会った。

私も長崎の生まれ育ち。
話をしてたら、先生は青雲高校の出身だった。
私は海星高校。

青雲といえば、私の兄が中学受験に失敗した学校。

それは、父が突然思いついて命じたことだった。
父は定時制の工業高校、母は定時制の商業高校。
子どもに学歴をつけさせたかった、
いい中学行って、いい高校行って、いい大学行って、いい会社に就職。
という昭和な物語だった。

でも思いついた日が悪く、受験まであと幾ばくもない。
兄はがんばったがかわいそうに失敗。
父の願望は、私に向かうことになった。
ふたつ下の私には、まだ時間が残されている。
それに逃れられないのなら私は、青雲よりも海星を選んだ。
高校に上がれば、強い野球部に入るつもりで。

野球とソフトボールとサッカーを一年中やってて、
そればっかりだったのが、
日曜日に片道2時間かけて塾に通うようになった。
家の近所には受験の塾も、補習の塾もなかったから。

そして、無事に海星中学校に合格。
高校は野球部ではなくラグビー部に入った。

やがて早稲田大学に入り、今に至る。
学歴がモノをいう組織に入ったことはないが、
いい学校だし、いい学生生活だったし、教員も長くしてた。
娘も早稲田大学で学んだし、私の授業を「早稲田で一番だった」とほめてくれた。

父の思いつきが、私の運命を決めていた。
その思いつきは、何がきっかけだったんだろう。
もう亡くなってしまってるから知りたくてもしょうがない。