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弱くなってきたもろもろに対抗するためにも五感をビビビビ震わせないとだね

稲刈りにいった。
茨城県古河市にある秋庭農園。

こんな時期に稲刈りできるの?と思ったけど、
オーナーの秋庭覚さんに聞いたら
「できますよ!」
電車に乗っていってみた。
黒米(古代米)をイベント用にちょっとだけ残してくれてて、
それを10人で20分ほどで刈り取り、
ハザがけにして、乾燥を待つ。

大隈塾リーダーシップ・チャレンジのイベントで、
今年は新コロで断念したレギュラーコンテンツ、
稲刈り@鴨川自然王国の代替えプラン。

だけど、おもしろかった。

その田んぼは「陸田」といって、
畑を水稲用に利用するもので、
小雨が降っていたけど畑だからぬかるまない。
雨が続いたのに田んぼがぬかるまないのは、ちょっとした驚きだった。

ザクザクザクザク刈り取って、
そのあとサツマイモを掘りに場所移動。
マルチという土にかぶせてあるビニール(土に還る)を
カッターでチーーーーっと切って、
ツルがでているところを手でもしもしもしもし掘っていくと、
サツマイモが出てくる。
おおお!出てきた出てきた。
さらに、もしもしもしもし土を掘っていく。
おおお!2個も3個も出てきて興奮してきて、
さらにもしもしもしもし掘っていく。

指が疲れる。

パソコンのキーボードを打つ、
スマホのタッチパネルをなぞる、
モノをつかむ、ボタンを押す……

土を掘ると、指が疲れる。

次は落花生を収穫。
落花生は茎の上に生えていると思っていたら、
土の中に軽く埋まっていた。
ツルをつかんでビリビリビリビリ土から剥がすように抜き取る。
ふた抱えほど収穫したが、
そのほとんどがツルで、ルツは食べられないから、
実入りはこれっぽっち(ともいえないけど)に減ってしまう。

最後はハーブ畑。
畑に入ると、軽くツーンとした匂いがする。
ハーブといえば外国のものだというイメージがあったが、
最近では和モノが注目を集めているそうで、
中でも薄荷(ハッカ)が人気だとか。
茨城は水戸光圀が薬を買えない農民のために薬草栽培奨励したらしく、
じつは茨城県は伝統的なハーブの産地である。
あまり知られていないから、PRに力を入れ始めている。

収穫のあとは、食べる。
サツマイモを焼く、
落花生を茹でる、
とうもろこしを炒る、
ハーブティを淹れる。

それだけでお腹いっぱいになりそうだったが、
元料理人だった覚さんのお弁当がメインディッシュ。

ポテサラとビーツは自家製。
ハンバーグ、チキン、ソーセージ、
鯛のカルパッチョ、ホタテの貝柱、海老の焼き物は、
スーパーで買ってきた食材だけれども、
覚さんがひと手間ふた手間かけて仕上げている。
たとえば、ソーセージには切り目を入れてセージを挟み込んであった。

そして、薪で炊いた炊き立てのご飯。
さっき収穫したのと同じ黒米が混ぜられている。
黒米はもち米でもあって、塩をかけて食べても美味い。

手や指の感触、稲や土やハーブの匂い、
採りたての食材の味と、手間をかけて調理した味。

NIPPON TABERU TIMESの学生たちが、
秋庭農園のスタッフとして手伝ってくれて、
世代間の交流もできた。

何より、
雨だから、寒いから、連れていく小さい子どもが心配だから、
やめよう、
と誰ひとりいわなかった。

当たり前のこと?

当たり前のことが、新コロからこっち、
妙にできなくなっている。
同調圧力もあり、判断停止もあり、
わたしたちはもろもろ、弱くなってきている。

自分の感覚を取り戻し、自分で判断していかないと。