
なんで避難訓練が大事なのか問題
館内に警戒音が
「むらさん! 逃げましょう!」
ヒタチさんが駆け寄ってそういう。
JKC(釜石情報交流センター)のワークスペースで仕事をしていた。
館内のスピーカーからウイウイと緊急警戒音がけたたましく鳴って、
<先ほどの大きな地震により、津波警報が発令されました。
利用者のみなさんは職員の指示に従って、
速やかに避難してください。
職員は利用者のみなさんの完全を確保しながら、
避難場所にゆうどうすること!>
というアナウンスも大音量で鳴り響く。
モヤモヤしてたら
そもそも逃げる気なかった。
「まもなくしたら警報鳴りますけど、訓練です」
お仕事中すいません、
と職員の人からお知らせがきてた。
わかりました〜〜、と承諾したが、
いつもnoteで逃げろ戻るなと書いてるし、
「100回逃げて100回来なくても、101回目も必ず逃げて!」
という釜石での教えをことドヤ顔で強調しているわたしとしては、
避難訓練とはいえ、スルーする気にはなれない。
けれども、う〜ん……。
めんどくさいし、それ以上に恥ずかしい。
モヤモヤしてたら、実際に警戒音が鳴り、
アナウンスがあり、モヤモヤが沸点に達したところで、
ヒタチさんの「むらさん! 逃げましょう!」。
正直いって「助かった!」と思った。
あやうく自己肯定感がダダ下がり
彼女が来なかったら、訓練をスルーしてた。
そして、
「防災士のくせに避難訓練をスルーしたな、おまえ!」
と、自分で自分を責めて、自己肯定感が下がりに下がって、
少なくともここ数ヶ月は自分にウソついて生きていかなくてはいけなくなってた。
それが、彼女の言葉に乗っかって、逃げる訓練に参加することができた。
だから、ホントに助かった。
職員さんたちと、避難場所である薬師公園を目指して歩いた。
(赤信号はちゃんと守りながら)
薬師公園は小高い丘になっていて、
春になると200本の桜がぶわわ〜っという感じで、
夜もライトアップされて、とてもきれいだ。
2011年の被災時には、およそ800人が薬師公園に逃げている。
その公園の手前で、リーダーのシモムラさんが、
「じゃあ、ここまでで」
とストップをかける。
そうなんです。薬師公園は桜の名所であり、
クマが出る名所でもあります。
今年はクマの当たり年で、
先月だったか、市役所のすぐ近くにもクマがでたぐらい。
なので、避難訓練で逃げたらクマに襲われました〜、
にならないように、公園の前で立ち止まるのもまた、
クマからの避難訓練。
いざというときに身体が動かない
避難訓練に参加してわかったのは、
実際に避難するイメージが具体化できたということ。
「あそこに行くんだ」ということはアタマではわかっている。
公園を目視もしてわかっている。
けれど、実際にそこまで歩いて避難することによって、
イメージを具体的に身体に染み込ませることができた。
ようやく逃げるイメージが身体に染みた。
2011年3月の小学生たちは、
訓練通りに身体が動いたという。
訓練しないと、いざというとき身体は動かない。