見出し画像

NO YOUTH NO JAPAN(若者をないがしろにすると知らないよ)

リスキリング(ReSkilling)、という言葉がある。
スキルを身につけ直すこと。
主にデジタルスキルを身に着け直すことに
企業は力を入れようとしている。
コロナ以来、デジタルスキルが必要になり、
あわてて従業員たちにリスキリングをするようになっている。

昨日の大隈塾「たくましい知性を鍛える」は、
NO YOUTH NO JAPANの能條桃子さんだった。
彼女の講義の中に、
「若い世代の価値観についていけてない社会」
という言葉があった。
大事にしたいことのイシューが、
政治の中心にいる世代と、
自分たちの世代とでは、まったくあわない。

最高裁で夫婦別姓が退けられたように、
別姓や同性婚など結婚にかんすること、
教育、子育て、就活など生活にかんすること、
性教育、避妊法、中絶法、
中でも気候変動はいまの政治的支配者たちよりも、
若者たちへの悪い影響が大きい。

企業の中ですら、リモート勤務についても、否定的な風潮はまだあるし、
経済成長こそが社会を支えるんだという考え方についても、
若者たちとは価値観、感覚がずれている。

社会の変化は、ものごとの本質の変化から、かなり遅れて変化する。
なぜならば、10年前20年前の成功体験が、
会社や社会を支配しているから。
20年前に有効だった手法や思考が、
会社や社会を支配しているから。

だからこそ、これから社会にでていく若者たちは、
とても有利なはずだ。

なぜなら、いまはリスキリングの時代だから、
デジタルの技術、デジタルでサービスをつくる技術、
デジタルさサービスを使うマインド、
そういうスキルとマインドは、もともと若者たちには備わっている。

能條さんは、
「社会をつくっているのは誰?」
という問いかけをした。
そして、「自分たちがジェンダーフリーな社会をつくる」、といった。
ジェンダーだけが社会問題ではないけれど、
ジェンダーがもっとも価値観がかけ離れたイシューかもしれない。
だとしたら、そこにターゲットをしぼる。

彼女が学んだデンマークでは、
若者が選挙はワクワクするもの、みんな楽しんでいる、といっていた。
19~21歳の投票率が80%をわずかに下回っているだけで、
全世代平均では84%になっている。
(明治大学国際日本学部 鈴木研究室)

声を上げれば、社会が変わる実例があって、
精神疾患の医療費が21歳までタダになったり、
気候変動が選挙での一番のテーマになったり、
時間はそれりにかかるが、動けば結果がついてくる、
という成功体験が、選挙や政治参加をワクワクするものにさせているんだろう。

能條さんはこれまで、
「change より make a difference」
といっていた。
大きい意思決定はそれなりの人たちがやればいい。
自分たちは自分たちでできること、ちょっとした変化をおこせばいいんだ、と。

もしかすると、方針が変わったのかもしれない。
「わたしたちが生きたい社会をつくっているのはわたしたち」

「かんじんなことは目に見えない」(星の王子さま)
たまっているマグマが動き出すように、
オリンピック・パラリンピック後は、
世の中の空気が一変しているかもしれない。