笑っちゃうから使わない
いわゆる「和式トイレ」問題。
釜石の小学校にはまだ、「和式トイレ」がある。
ある小学校での話。
休み時間が終わっても、何人かの児童が教室に戻ってこない。
なぜだろうと思って聞いてみたら、
トイレに並んでいる、と。
その先生、次の休み時間にトイレに行って見てみると、
3つある個室のうち、2つが和式で、
1つの洋式のところにみんな順番待ちの列をつくっている。
「時間がないから、こっちでしなさい」
と先生、和式をすすめると、
「どうやって使うんですか?」
子どもたちはいう。
「お家で練習してきなさい」
とお決まりのセリフをいおうとして先生、はたと気がついた。
(お家に和式のトイレなんてない……)
なので先生、A4のコピー用紙を和式トイレと見立てて、
みんなの前でしゃがんでみせた。
「こうやって使うんですよ」
子どもたちはみんなは驚いた。
先生、「つぎはみんなの番ですよ」
と、みんなにA4の紙を渡してしゃがんでもらった。
みんなが一斉に紙をまたいでしゃがむ様子は壮観だった。
子どもたちも笑っていた。
でも子どもたち、使い方がわかっても、やっぱり使わない。
使いたくないものは、使わない。
笑っちゃうから、使わない。
ちなみに釜石市議会のトイレも、
和式トイレの個室のドアが閉まっているのを見たことがない。