大隈塾式「1分朗読」
「1分朗読」を大隈塾ゼミでやった。
1分朗読のやり方はいろいろあるんだろうけど、
大隈塾のは、
<準備>
・自分で本を選ぶ(演説、歌詞、映画の一場面でもOK)
・1分に編集する
実際に声に出して読んでみて、1分に収まるように、朗読の範囲を定め、必要な場合には語句を割愛する
・十分な練習、リハーサルをしておく
<本番><本人>
・ココロの準備ができた人から1分朗読
・本のタイトル、著者はいわない
・1分であること
・感情を込めて朗読すること
<本番><ほかのメンバー>
・フィードバックする(全員ではない)
フィードバックをしようと思った人を挙手をして、good & betterで、どこがよかったか、どこをどうするとさらによくなるかを伝える。一人の朗読者に対して2,3人のフィードバックをしましょう
前の学期でやったときは、どのゼミ生からも歌詞ばっかりでてきて、
「あ〜、やっぱり本を読んでないなあ」
「好きな曲からちょちょっと抜き出してきたなあ」
というがっかり感が大きかった。
それは<準備><本番>での決まり事をきっちりと伝えてなかったのが、
自分の中での大きな反省点だった。
ので、今回は<準備><本番>を本間正人先生にフィードバックをいただき、
TA(アシスタント)のタソからゼミ生にしっかりと伝えてもらった。
さて、月曜日10:40、ゼミのスタート。
さて、ココロの準備ができた最初のゼミ生が朗読し始めたのは、やっぱり歌詞。
次のゼミ生も歌詞。
3番めの歌詞。
うおおおおおおおお。もう限界!
と思ったら、3番目は自分でつくったラップだった。
いつから変わった?ここは戦場?
地位、金、名誉いらねぇぞ、
言葉の表現、時に冷てぇ
腐った時代に何信じる?
変わりゆく景色、壊れる自然、君は何を感じる。
ハヤオが描いた世界はここか?
令和の平和いつまで続く?
https://www.instagram.com/goofy_studio/
おお!いいじゃん!
つぎは、『星の王子さま』サンテグジュペリ。
朗読のあと、伏せていたタイトルをピタッと当てたのは、
2番目に歌詞を朗読したゴーダ。
(今回、ゴーダは歌詞の一部、本の一部からタイトルを言い当てる能力が高いことがわかった)
どんどん手が挙がってくる。
どんどん朗読にはまってくる。
思えば、最初に椎名林檎をもってきたトップバッターのミヤは、
みんなのココロのハードルを下げにいったのかも知れない。
率先垂範、相互支援。リーダーシップの重要な要素だ。
あと、実際に歌い出すゼミ生あり、
『君たちはどう生きるか』(文庫版)あり、
マンガあり、TEDあり……。
予想を超えて、多様な1分朗読になった。
しかもみんな、楽しそう、プレイフルに朗読している。
楽しそう、だけじゃなかったようだ。
それなりに「緊張」もしていた。
いつも冗談をいいあって、笑いあっている仲間たちの前で、
ゆっくりと、感情を込めて詞を読み上げる。
このことが軽い緊張感を与え、
しかし読み上げ始めると次第に、
自分が好きな詞をみんなが聴いてくれていることへの快感に変わり、
読み終わったらみんなからの拍手を浴びる。
数年ぶりにその本を開いて、
初めて読んだ当初のことを思い出したり、
いつもはリズムに乗せて聴いていた詞を、
じっくりと味わってみたら違った発見があったり。
発表者自身にも気づきがあり、
それを聴いているゼミ生たちには、知らなかった世界が広がり、
あるいは自分とは違った解釈に触れる。
作者やアーティストたちが、自分の感情や情念を言語化した詞や言葉を、
ゼミ生自分自身もその詞と言葉とを素材として、
自分自身を観察し、再言語化してみる。
学びにおけるプレイフル(Plyaful)とは、「ゆるい」ということではなく、
「必死こいてる」「命がけ」であること。
そして笑顔があり、ワクワクがある。
今回のゼミでは、とてもプレイフルな1分朗読だった。