虎舞の世界に飛び込もう
鹿踊りのいちばん後ろで小さい女の子がひとり、
くねくね踊っていた。
大人たちの踊りを真似していたんだろう。
かわいすぎた。
あいにくの雨だったけど、
雨の中での虎舞もよかった。
ホールの中とか神社前とか広場の虎舞ももちろんいいけど、
雨が降っている港での虎舞、
それらとは違った迫力があった。
それにしても、虎舞には若い人たちがたくさん参加していた。
しかもすごく元気に、楽しそうに、囃したり鳴らしたり。
デジタル世代なのに、Z世代なのに、
なぜアナログな伝統芸能の世界に没頭できるんだろう。
そこから何が見えているんだろう。
先輩後輩のつながり、世代をまたいだつながり、
強い縦社会なのか。
規律とか不文律とかもあるだろう。
地元での暮らしにどんな影響があるのか。
仕事にどんな影響があるのか。
釜石で育ったわけじゃないので、
まったくわからない。
小さいときから踊りに参加していたわけじゃないから、
ホントにわからない。
でも、虎舞の人たちの中に飛び込んでいけば、
見えてくるものがあるかもしれない。
雨の中で虎舞を見ながら、そう思った。