メンバーが11人いないサッカーチームだから
田原総一朗さんに総裁選挙と、そのあとの総選挙について見通しを聞きながら、
総選挙でわたしたちはどんなことをすれば、世の中を変えることができるか、
というトークイベントをやった。
(わたしたち=若者、中年、初老<ひとり>)
田原さんに切り込んでいくのは、NO YOUTH NO JAPANの能條桃子さん。
NO YOUTH NO JAPANは、Instagramを中心にSNSで社会にある問題を提起して、若い人たちが政治的な行動を起こすように活動している。
Instagramでは、フォロワーが7万人いる。
田原さんは、
政治に緊張感がない。たるみきっている。
だから選挙では投票率が低い、政治に関心がない。
それは野党が弱すぎるから。
ということで、「野党は弱い」。
を強調する。
野党は弱い、の反対は、野党は強い。
どんな状態が「野党は強い」のかというと、
ひとつは、国会の中で、ある程度野党と拮抗した議員数があること。
議員の数が多くなると、たしかに最後は多数決で決められるが、
国会の中で議論ができるようになる。
国会での議論は、普通の会議のようにフリーで意見交換ができるのではなく、
質問→回答、質問→回答、の一方通行。
会議に参加できる人数の比率によって、質問の時間が決められる。
だから、与党の議員の数が圧倒的に多いと、与党議員の質問の時間が長くなる。
与党議員が自分たちの政府に対して厳しい質問をするわけもなく、
野党議員は少ない時間で、自分たちの主張をしなければならない。
国会が開いていれば、それもできるが、
国会を開かない状態では、野党は仕事すらできない。
だから、「野党を強く」するには、野党議員を増やさないといけない。
NO YOUTH NO JAPANには、どんな意見が寄せられるのか。
気候変動、ジェンダー、LGBTQの問題。
賃金の問題。個人の所得が上がらない。
働いても働いても、可処分所得が上がらない。
けど、どこに投票していいかわからない。
トークイベントの参加者に、「どこに投票しますか?」という質問をしてみた。
正直わからない。
わからないです。
人によるかもしれません。
決まっておらずです。
選挙の結果、野党連立となることがセカンドベストかと。
問題はあるけど、維新に入れたい。
国民民主党です。
自民党の対立候補になる人、政党じゃない。
自民党です。野党を育てるより、自民党を分割して戦ってもらったほうが早くないでしょうか。
自民党かなと思います。自民党じゃないと行政を回せない。
消去法で自民党です。
現状ではそうなるだろうなあ。
能條桃子さんも、「参加者側にいて今の質問に回答するとなると、『正直わからない』って答えるかもしれない」
と。
メンバーが11人いないと、サッカーの試合にならない。
メンバーが9人いないと、ベースボールの試合にならない。
メンバーが15人いないと、ラグビーの試合にならない。
試合ができないチームに、誰が関心をいだくだろうか。
試合ができないチームのプレイを、誰が見て評価するだろうか。
「弱い」「なにもやらない」のひとことで片付けられる。
いまの野党ってそんなことだろう。
次の総選挙でわたしたちがやるべきことは、
せめてサッカーなりラグビーなりベースボールをやれるぐらいのチームにしてあげることじゃないのか。
緊張感をもって政治をしてもらうためには。