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昨日、大隈塾コミュニティのトークイベントで、
大隈塾がなぜ終わったのか、を説明した。
夜中の8時から、50人を超えるコミュニティメンバーが集まってくれた。
感謝しかない。

なぜ終わったのか。
その前に、大隈塾がどういう歴史をたどって、
2022年以降、どう歩んでいこうとしたのか。
それを、2022年1月14日、冬学期第6回、
最後になったカイゼン会議で、
受講生の前でプレゼンテーションした資料を使って、
コミュニティメンバーに説明した。

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大隈塾の人生曲線です。
大隈塾がどんな過程をたどってきたか、
説明します。

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大隈塾は自己崩壊していって、
そしてよみがえりました。

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大隈塾は2002年にスタートしました。

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当時から、
自分のアタマで考え、自分で行動する
というコンセプトです。

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そして、
人生で二度と会えないような有名人が
毎週毎週やってきて、
その人たちの成功体験を、
シャワーのように浴びせかける。
特別なリーダーシップ講座、ということをコンセプトにしてました。

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田原総一朗さんがファシリテーター、
経済界から有名な社長たち、
たとえば、ユニクロの柳井正社長、
政治からは、安倍晋三さんも麻生太郎さんも来ました。
麻生さんも総理大臣でしたのは覚えてますか?
ちなみに、大隈塾にやってきた総理大臣は7人です。
ホリエモンのようなインフルエンサーたちも、ゲスト講師でした。

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200人の定員に、600人が申し込む人気講座も、
やがて勢いがなくなります。

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その原因を、わたしたち教員は、
学生たちのせいにしていました。

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じゃあ、すでに有名な、世間受けするゲストのほかに、
ベンチャー企業経営者やNPOの代表たちに
新しい風を吹き込んでもらおう、ということで、

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楽天の三木谷浩史さん、HASUNAの白木夏子さん、
マザーハウスの山口絵理子さん、
READY FOR、米良はるかさんたち。

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それでも、受講生の数は減り続けます。
まだ教員は気がつきません。
田中愛治先生も、わたしも。

ついに、ゼミ生たちが立ち上がりました。
大隈塾を改革しないと、大変なことになる、と。

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そこで、2002年から変わってなかったシラバスを、
学生たちが書いて、わたしがつくったことにしました。
完全に上から目線のシラバスが、
学生目線に近くなってきました。

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でも、シラバスじゃないんです。
決め手は。
だから、どんどん学生が減っていって、
定員を200から150、100にしても
定員割れすることもありました。

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これホントで、
大隈塾は終了する、といううわさが聞こえてきました。
というのは、オープン科目が増えすぎて、
先生1人学生3人という科目まででてきて、
そういうオワコン科目をなくすために、
「大隈塾でさえおわっちゃうんだから」
という口実に使われる、といわれていました。

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そして、これまでにない提案をします。

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「大隈塾はつぶしましょう」
といい出したんです。

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そのホントの意図は、新しい大隈塾をつくりましょう!
ということでした。

残してください、お願いします。
ではなくて、
学生のためにならなくなった大隈塾は潰して、
学生たちのためになる大隈塾を、新しく作り直しましょう、
ということでした。
新しく早稲田にできたアクティブラーニング系の「リーダーシップ開発」と「体験の言語化」、
それに大隈塾の要素を足して、
これと新しい大隈塾をつくろうということで。

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大学を説得するために、実績作りです。
ゲスト講師に紐付いたプロジェクトを立ち上げ、
あるいは企業とコラボレーションし、
スタディツアーにでかけていく。

くまぶ〜プロジェクトは、このときからできていました。

OGOBたちも、力を貸してくれました。

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そしていよいよ、大学との交渉です。
教務部長(左列中)という、大学全体のカリキュラムを決める責任者が
実際にあって、プレゼンテーションを聞いてくれました。

その道筋をつけてくれたのは、まだ総長になっていない、
なるつもりもなかった田中愛治先生(左列手前)でした。

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こうしてなんと、大学は学生たちの提案を受け入れ、
新しく授業をつくることを許可しました。

早稲田大学150年の歴史の中で、
学生が企画した授業が認められた、
最初の授業が、大隈塾「たくましい知性を鍛える」でした。
当時、田中先生は、新生大隈塾、といっていました。

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SA(student assistant)という制度を、新しくつくりました。
制度的にはTA(Teaching Assistant)ですが、
この授業ではteachする人はいない、
ゲスト講師はプレゼンテーションして、
それを受講生がダイアログすることによって学びを深めていく。
それをアシストするのがSAです。

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最初の授業は田中先生です。
知性の字が間違っています。
いいんです。
田中先生も、興奮していました。

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この意味わかりますか?
秋学期100人超え。

秋学期は国際教養学部をはじめとして、
学生たちが留学に出かけることもあって、
春学期に100人を超えていても、
秋学期は80人登録、じっさいに授業にでてくるのは60人、
っていう状態でした。
新しい大隈塾になる前は。

ところが、2018年、秋学期に100人を超えました。

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これは、春クォーター、夏クォーター、秋クォーター、冬クォーターのおわりに、
カイゼン会議、というのを開いて、
大隈塾のどこかgoodか、
どこがbetterなのか、
その解決策はどうすればいいのか、
ということを、受講生みんなで考えることをしました。

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そして、前のカイゼン会議ででたbetterフィードバックの
なにを取り入れて改善したか、もオープンにしました。

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これがカイゼン会議の様子です。
ポストイットをつかってブレスト、

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ホワイトボードをつかって解決策を出していく。


そうやって、自分たちで授業をつくっていることを、
一人ひとりが口コミで、大隈塾のことを広げていきました。
友だちに「大隈塾っておもしろいよ」って伝えてくれた。

その結果が、秋学期100人超えです。
という現象が起こった。

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もはや、「学生が主体」ではなく、
「学生が主役」
の授業になったんです。

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大隈塾で何を学んだのか。
期末の個人プレゼンですが、
プレゼンをこんなに楽しそうにする授業が
ほかにありますか?

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そして、オンラインで新しい世界へ。

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いまのSAたちの初めての授業です。
ついこのあいだです。


こうして、2002年にスタートした大隈塾は、
2021年まで続いてきました。


来年、20年目です。
アフターコロナ、withコロナでもあり、
さらに新しい大隈塾を目指します。

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ちなみに、「たくましい知性を鍛える」と
「たくましい知性を鍛える 演習」は
早稲田大学のe-Teaching awardに選ばれました。
大隈塾の場合、みんながつくっている授業なので、
みんなの授業が、早稲田大学の中でもっとも優れている授業だと認められたわけです。(画像は参考)

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ということで、来年度の大隈塾、
次のグッドプラクティスに向かって、
カイゼンしていきましょう。
とくに今回は、「ミライ対話」としました。
その理由は、

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目指すのは、2017年よりさらに大きな改革です。

2002年からの、伝統だった「大隈塾」をはずします。

これは大学からの要請です。「大隈塾」はコピーライツは早稲田大学にあって、
大学が使用を許可しなければ、使えません。

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だけど、「それはちょうどよかった」なんです。

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覚えてますか?『心理的安全性のつくりかた』石井遼介さんの授業でした。
何回か6限のワークでもやりました。
ネガティブなことがあったとき、
予想してなかったトラブルがおこったとき、
それに対してあらがうのではなく、
「それはちょうどよかった」といって、受け入れて、リカバーする。


ちょうど、2002年にスタートしてから20年がたって、21年目になります。
そのときにまた大きな改革ができるのは、運が良かった。

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目指すのは、「全員参加の授業」だと、わたしは思っています。
全員参加の「たくましい知性を鍛える」です。
「学生が主役」はe-teaching awardをいただいて、達成しました。
つぎは、「全員参加の授業」です。

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「リーダーシップ開発」で身につけるリーダーシップは、
権威のないところのリーダーシップ、「全員発揮のリーダーシップ」といわれています。
目標を設定してシェアする、率先垂範、相互支援。

わたしたちは、「全員発揮」ではなく「全員参加」のリーダーシップを全員参加の授業で学ぶ。

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さらに新しい学びの場をつくっていきましょう。