ためらっていたことに踏ん切りつけられた、モチベーションが上がった『心のブレーキを外す』
為末大さんの『心のブレーキを外す』(三笠書房 2019)を読んでよかった。
「限界とは、人間のつくり出した思い込みである」
「人は、自分でつくり出した思い込みの檻に、自ら入ってしまっている」
この本の原題は「限界の正体」。
単行本では『限界の正体』だったが、
文庫本で『心のブレーキを外す』に改題した。
陸上競技で記録が次々と更新されるのはなぜか。
日本人で初めてスプリント種目で銅メダルをとった為末大さんは、
自身が陸上競技に関わってきたこの30年間、
栄養摂取の考え方やトレーニング方法は、そんなに変わっていない。
身体能力も劇的な変化を遂げているわけではない。
ではなぜ、新記録がでるのか。
それは、
「誰かが記録を破る」ことによって、
心理的なブレーキが外れて、
「自分にもできる」という心理が働くから
という。
「限界」は、自分でつくっている。
と。
ためしに、「ムリ」だと思っていたことをやってみると、
案外できたりする。
やらなかっただけ、だったっていうこともある。
最大の限界は、それ。
やってない。
ということで、あれとかこれとか、
やってなかったこと、ムリかもだから少しレベルを下げてみようと思っていたことを
「やってみっか」と思えたこと、
モチベーションが上がったということが、
この本を「読んでよかったな〜」と思わせた。