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幸せに気をつけてますか?

「幸せに気をつけてますか?」

一般に、スポーツや睡眠、食事面など、身体の健康に気を配っている人は多いですが、心のウェルビーイングである幸せに気をつけているという人はまだ少ないでしょう。何より「幸せに気をつける」という言い方自体、これまで使われてきませんでした。

『ウェルビーイング』 前野隆司、前野マドカ 日経文庫 2022年 p67

昨日、20人ぐらいの大宴会に参加した。
大隈塾ゼミ生たちが始めたシェアハウスで、
もう6年になるからみんな社会人になっている。
毎週水曜日の夜、「水曜ごはん」と称して住民みんなで晩ごはんをつくって食べていた。

そこは「カグラボ」というシェアハウスであって、
コミュニティであって、
ルームシェアするだけの場所ではない。
それを確認するために、みんなでごはんを食べよう。
水曜日には飲み会もデートも、夜の予定を入れないように。

として始まった「水曜ごはん」だが、
住民が友だちを連れてきたり、
誘われてないけど「水曜ごはん」に参加したいから参加したり、
いつの間にか「水曜ごはん」は、
<みんな>が集まるごはん会になってきた。

建物が古くなって大家さんが不安に思ったのか、
賃貸契約が更新されず、カグラボは今月で終わることになった。
だから、昨日が最後の「水曜ごはん」だった。

19時にカグラボにいったら、もうすでに10人ぐらいがいて、
料理している人もいれば、おしゃべりしている人もいる。
みんな、わたしを歓迎してくれた。

そのうち、餃子の餡(あん)が大量に出来上がり、
みんなで餃子を包み始めた。

にぎにぎにぎにぎ餃子を包んで、
餃子が増えるごとにやってくる人も増え、
「おお〜〜〜、ひさしぶり〜〜〜」
という声も飛び交う。

ワイワイガヤガヤ盛り上がってきて、
にぎにぎにぎにぎ餃子を包んでいる。

中国では、新しい年を迎えるときに餃子を茹でて食べる。
餃子の「子」の刻、深夜0時に、時計の針が交(餃)わる。

新しい年、新たなスタート、新しい旅立ち。
そんなとき、幸せを小麦粉の皮で包み込む。

ワイワイガヤガヤなにぎにぎにぎにぎを見てて、
わたしはこの上なく楽しさを感じた。
缶ビールをぐびぐび飲みながら、
幸せとはこのことだなと、幸せ感を味わった。

20時を過ぎたころにみんなにわからないように逃げちゃおうと、
トイレにいくたびに上着、バッグをこっそり玄関に運んでいた。
いよいよそのときがきて、またまたトイレにいくふりをして部屋を出ようとしたら……。

「むらさん、帰るの?」
ちゃんと気づかれていた。

「え、……ああ、うん」
「むらさん帰るって〜」「え〜!」「じゃ〜ね〜」「気をつけて!」「またね〜〜」

幸せ感ハンパなかった。

みんなもずっと、いつまでも幸せでありますように。
幸せに気をつけていきましょう、お互いに。