みんながいっしょに遊べて学べる街に
インクルーシブな遊び場があればいいな。
インクルーシブは「全体を包み込むような」という意味で、
福祉や教育などに関するシーンによく使われる言葉。
障害があってもなくても、年齢も性別も関係ない。
インクルーシブな遊び場とは、
みんながいっしょに遊べる遊び場。
医療的なケアが日常的に必要な子ども、医療ケア児を育てているえりさん(佐々木江利さん)にお話を聞いた。
そしたら、「インクルーシブな遊び場が欲しい」と。
えりさんの娘さんは酸素ボンベが常に必要で、
ベビーカーに積んでいるけど、これがなかなか重い。
だから、外に遊びに行くときとか、
楽しそうなイベントに参加するときとか、
出かける前に、
・バリアフリーな場所か?
・多少の段差があっても自分ひとりで対処できそうか?
・天気はどうだろう?
とか、いろいろ考える。
たとえば、うのスタ(釜石鵜住居復興スタジアム)。
うのスタには日陰になる場所がほとんどない。
「釜石よいさ」の準備のためにうのスタで作業した9/18は、
気温が36℃を超えて日本で一番暑い街に釜石がなったが、
日陰がないから、その作業たるや……。
日陰があることはある。
メインスタンドのテラスになっているところ。
しかし、ここまでいくのにはスロープもエレベーターもなく、
階段を登らなければならない。
たとえば、根浜海岸。
釜石でいちばんステキな海水浴場だけど、
やっぱりここにもスロープがない。
せっかく自然豊かなところなのに、
小さな配慮が足りてない。
配慮の行き届いた公園もある。
たとえば鈴子広場はわりと新しく、
マイクロバスも停まれるような駐車場も、
自転車が停められる駐輪場もあり、
誰でも使えるトイレも設置されていて、
段差はなくてバリアフリー。
小さい子どもたちだけでも安心できるように、
低い柵で囲われた遊びスペースもある。
そうした公園には不満はないけど、
せっかく釜石にいるんだから、
自然の感じさせるような、
自然由来の遊び道具があるような、
土の上で走り回れるような、
どろんこになれるような、
海にさっと入れるような、
釜石らしい育ち方ができるような遊び場もあっていい。
インクルーシブで、
釜石らしい遊び場であり、学びの場であるような。
釜石の街全体がそうあっていい。
年齢や性別や国籍や、障害のあるなしにかかわらず、
歴史が学べて、自然が学べて、仕事が学べて、
山の中で、川のそばで、海に入って、
自然の中で遊ぶことができる。
オープン・フィールドミュージアムの構想に近い、
オープン・フィールド・カレッジみたいな街のデザイン。
釜石に住んでよかった、釜石で子育てしてよかった、
ちょっと時間があれば外にでかけたいな、
とみんなが思えるような、
インクルーシブな街でありたい。