今の大学教育では学生は変わらない
アクティブラーニングや高校→大学、大学→社会へのトランジションの研究でよく知られている溝上慎一先生の講演を聞いてきた。
10年間、高校生が大学生になってどう変わるのか、を調査した結果、
「あんまり変わらない」
ということらしい。
なにが変わらないかというと、
・他者理解力
・計画実行力
・コミュニケーション・リーダーシップ力
・社会文化探究心
で、意識と能力が高い人(クラス高群)、そこそこの人(クラス中群)、まだまだの人(クラス低群)との間では力の差こそあれ、成長するにつれてそうした力が伸びていくか、というと、そんなことはない、という調査結果になっていた。
・他者理解力
家族や友人なんかは、お互いに何を考えてるのか、どんな趣向があるのかわかってるから、言葉をちゃんと使わなくてもコミュニケーションとれる。他者は、それ以外の人たち。ちゃんと話を聞いて想像力を働かせないと相手のことがわからないし、ちゃんと話をして聞いてもらえないと自分のことをわかってもらえない。
この力が、さっぱり伸びないらしい。
・計画実行力
自分で計画を立てて、それを実行する力。誰かプランにまる乗りしたり、指示待ちじゃない、ってことか。
・コミュニケーション力・リーダーシップ力
読んで字のごとし。
・社会文化探究心
自分の半径5m以外の社会の出来事に「ん?」って思うかどうか。
大隈塾「たくましい知性を鍛える」を担当しているわたしとしては、まったくそんなことないという実感がある。
それでも受講生100人のうち全員が力がつく、というわけではないから、大学生全体としては4年間力がつかない、というか、高校3年生から大学卒業するまで、ほぼ同じスペックである、ということか。
このブログのタイトルは、溝上先生の新刊のサブタイトル。