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助かったオトナは子どもたちに学んでいた
「大震災かまいしの伝承者」の研修を受けた。
震災を経験していない移住者だからこそ伝承者になっておかないと、
と思って基礎研修を申し込んで、昨日その研修が実施された。
やっぱり初めて知ることが多かった。
たとえば。
釜石は1000人を超す人々が津波の犠牲になったが、
その6割以上が60歳以上の高齢者。
発災時に自宅にいた人が6割、
職場や学校にいた人が3割。
そして、津波に飲まれた場所は、
自宅が36%、避難途中が20%。
なぜ多くの犠牲者がでたのか。
遺族や地域の方から得られた証言によると、
・自宅にとどまり避難が遅れ、流されて亡くなった
・数度の避難の呼びかけにも応じず、自宅にとどまり亡くなった
・いったんは自宅の上層階に避難したが、階下に降り、流されて亡くなった
・地震の後に片付けに手間取り、流されて亡くなった
・外出中の家族の帰りを待っていて、流されて亡くなった
一方、市内およそ3000人の小中学生の生存率は99.8%。
これは避難訓練と防災学習の成果だといわれている。
先週行われた釜石高校のSSH中間発表会では、
「大人の防災意識を高める」をテーマにしたグループがあった。
そのグループの調べによると、
5割の家庭で防災、もしくは減災をしていない、
というアンケート結果になった。
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大人の防災意識は低く、子どもたちのそれは高い。
研修講師の一人、いのちをつなぐ未来館の川崎杏樹さんによると、
「それは震災の前と同じです」
震災前も子どもたちと大人たちとの防災意識に乖離があった。
子どもに学んだオトナたちは生き残った、ともいえる。
「大震災かまいしの伝承者」としての認定を受けた。
がんばろ。
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