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稲刈りとおしゃべりの気持ちよさ
昨日は大隈塾のOGOBたちと、稲刈りをしてきた。
場所は茨城県古河市の秋庭農園。
ふつう稲刈りは9月にやってしまうけど、
今回は白米(うるち米)じゃなくて、黒米(古代米、もち米)。
うるち米ともち米は、同時期に育てると自然交雑して、
なんだかややこしいことになるから、
田んぼを離すか、もち米を遅く育てることになる。
なので、周囲の田んぼはすでに稲刈りは終わり、
収穫のあとの籾殻焼きをしていたなかで、
青々とした稲が広がる田んぼで、
十数人が横一列になり、ざっざざっざと刈り取っていった。
(うるち米だと稲刈りの時期には黄金色になるところだけど……)
20代30代の男女が十数人。
最初はわーきゃー騒いでいて、
そのうち初めてだかひさびさだかの興奮も冷め、
刈り取り作業に集中して静かになるだろう、と思っていたけど、
なかなかそうはならなかった。
みんな、ず〜っとしゃべってた。
ざっざざっざと刈りながら、
だけどそのおしゃべりの声が、とても心地よくなっていった。
屋外であることと、鎌という刃物を使っていることで、
自然とディスタンスがとれていることもあり、
途中からみんなマスクを外して稲刈りとおしゃべりをしていた。
わたしはざっざざっざと刈っていて、
手はこちらで耳はあちら、というわけでもなく、
ただただ聞こえてくるおしゃべりと、
稲と土の匂いと、
少しだけ強く吹いている風が稲にあたって起こす摩擦音と、
黒米の白米よりもがっしりした触りごこち。
いいなあ、気持ちいいなあ、と思った。
でも、手の感覚も鼻の感覚もすばらしいけど、
やっぱり他愛もないおしゃべりって、愛すべきものだなあ。
コロナが奪ったいろんなもののひとつを、取り返した気持ちになった。