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ちょうど7年前の今日、
息子のりんとドイツのドルトムントへ旅行し(てい)た。
googleって便利で、頼んでもいないのに◯年前の写真を提示して、
いろんなことを思い出させてくれる。

ドルトムントでは夜のまちの灯りが、日本とはまったく違っていた。
街灯は温かい色で、
路地にいるネコが白い猫なのか茶色いネコなのか、
歩いている人が着ているTシャツにプリントされている文字が英語なのかドイツ語なのか、
女性なのかもしかすると……、という程度の、ほの明るいという照度だった。

レストランからの灯りも、オープンテラスのお店でもそれほどの灯りは漏れてこず、
むしろテラス席はテーブルのローソクで食事をしていたし、
なんのお店なんだろう、磨りガラスからのオレンジ色の灯りがとてもきれいだった。

灯りはほのかだが、それでいて、道はそれなりにしっかりと照らしているので、
照明の「明」、レンガ造りの建物の外壁の「暗」、
そして夜空の「黒」とも組み合わさって、風景にリズムが出ている。
住民の生活がさりげなく充実しているのが感じ取られた。

広場の夜の様子も、きれいだった。
モニュメンタルな建物が浮かび上がるかのようでとても美しい。
そもそも、広場の存在自体が、まちの風景を美しく引き立てている。
日本には公園はあるが、広場はそれほど多くない。
あっても「駅前広場」で、バス停やタクシー乗り場があり、
人が集まる場所というよりも、人がそこから立ち去っていく場所。
あるいは、待ち合わせをして、やはり人がそこから立ち去っていく場所が、
日本の広場なのではないだろうか。

まちの灯りと広場の空間。日本のまちもそうありたいな、と思っていたことを思い出した。