高校1年生だった少年が50歳になって
「それってラグビーですか?」
30代のおっさんたちが、多摩川の河原の草っ原でドタドタやってる。
あれはなんだろう?
ラグビーボールを使ってるから、ラグビーに似たものかもしれない。
からかってやろうか。
そんな高校1年生が3人。
飲み仲間のおっさんチームに近寄ってきた。
高校でラグビーをやっている、と。
高校は小石川工業高校、「ジャリ(小石)高」だそうだ。
30代の素人おっさんと比べるまでもなく、
16歳の3人はキレッキレのプレーヤーだった。
すぐに仲良くなり、その場で入部を懇願し(お願いされたのではない、お願いしたのである)、受け入れられて大喜びした。
ニックネームは、もどき、ルイス、チョコボール。
いま、ルイスはカナダに移住して起業している。
もどきは小さい会社の取締役営業部長。
チョコボールはわからない。
もどきが釜石に来た。
お客さん回りの営業活動で一ノ関にいるから、ついでに釜石に立ち寄ると。
うのスタを案内し、ちょうどやってたトモスdeマルシェで買い食いし、
いのちをつなぐ未来館でガイドをした。
およそ2時間。一ノ関に帰る、と。
東京からクルマでやってきたもどきは、
高速を使わずに東北へ来て、あっちこっち回っている。
釜石から一ノ関との往復も下の道。
「コストカットをしている立場ですから」
ともどきはいう。
今年50歳になったといっていたことを思い出して、
無理すんな、がんばれ!
と心の中で応援して、
16歳が50歳になった、ということは、34年も時が過ぎたのか、
34年っていうとあのときおれはいくつだったんだ?
いま58歳だから……
24歳!
うそ! 30代じゃなかったのか。
いまの自分の娘と息子より若かったのか。
(けっこうな衝撃)