歌舞伎と新劇を同時に体験する
Kabuki Lessonのあと、シアターゲームをした。
Kabuki Lessonは『勧進帳』。
5月に團十郎になる海老蔵が、
襲名披露公演で演じるのが、『勧進帳』と、
前回のテーマ『助六由縁江戸桜(すけろくゆかりのえどざくら)』。
襲名披露公演は5月から7月まで行われるが、
Kabuki Lessonのセンセイきみちゃんによれば、
3ヶ月もの長きに渡って襲名披露させてくれるのは、めったにない。
それだけ集客が見込める歌舞伎俳優じゃなければ、
ということらしい。
これは『勧進帳』『助六由縁江戸桜』、
そしてもうひとつ市川家の歌舞伎十八番のひとつ『暫』は
観に行かないといけない。
シアターゲームは、
「シンクロ」「あっち向いてホイ」「声を届ける」「名詞インプロ」をやった。
ゲームの名前はてきとう。
「シンクロ」は、二人向かい合わせに立ち、
両手のひらを、くっつかないように合わせ、
二人のうちどちらかが手を動かし、
もう一方は、鏡にうつった姿のように、
それに合わせて手を動かす。
緩急、前後左右、上下、グーチョキパー、
リードする方は相手がついていきやすいように、
しかし簡単すぎないように、
あるいは呼吸を合わせて手を動かす。
合わせる方は、相方がどんな動きをするのかを
心のなかで読みながら、
周辺視野も使って、鏡になっていく。
「あっち向いてホイ」は、全力でやると、
普段とは違った楽しさがある。
子どものころの遊びを、オトナになって全力で。
気持ちのリセットになる。
「声を届ける」は、4人一組。
前方、後ろ向きで並んで立っている3人に、
たとえば「おはよう」と声をかける。
3人のうち誰か一人に「おはよう」を届け、
そのターゲットがちゃんと「おはよう」を受け取ってもらえるか。
これは、受け取る側よりも、届ける側のトレーニングとわたしは感じた。
プレゼンテーションをするとき、
誰にわかってもらいたいのか、
ただしゃべっているだけなのか。
後ろ向きで立っているメンバーは、
自分に声が届いたと思ったら右手を上げる。
右手を上げてもらったときったら、
けっこううれしかった。
「名詞インプロ」は、シチュエーションゲーム。
場面と配役を決めて、名詞だけで会話する。
たとえば、彼氏彼女、別れる話をしている。
たとえば、仕事中の上司と部下。
たとえば、サークルの先輩が後輩を「指導」する。
名詞だけ、声の強弱、雰囲気のつくり方。
慣れてない人は、「このことをどういう名詞で表現しようか」
ばかりに集中して、
それをどう演じて伝えるか、までは気が回らない。
ところが、ちょっと慣れてくると、
これが立派な即興劇になっていく。
Kabuki Lessonのメンバーが残ってシアターゲームをしたから、
歌舞伎と新劇の、役者の声の届け方、
目線の起き方、独り言のいい方、
などなどにも話が届き、
コミュニケーションの楽しいワークショップになった。