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7年ぶりのJ1の舞台に立つヴォルティスを信じること
いよいよJリーグが開幕した。
私の応援する徳島ヴォルティスは、明日(2/27)の開幕戦を皮切りにクラブ史上二度目のJ1に挑む。
前回J1に昇格したときのことを思い返すと、当時はとにかく浮かれていた。
2013シーズン、勢いに乗ってJ2リーグ4位からプレーオフを勝ち抜き、国立競技場で昇格を決めたあの時、喜びしかなかった。
初めてのJ1という舞台。昇格の先には夢のような場所が待っていると思っていた。
2014シーズン、浮かれたまま鳥栖での開幕戦に向かった。気が付けば次々と点を入れられ、5-0で惨敗。
その後もシーズンをとおしてホームでは未勝利。初のJ1でのシーズンを3勝5分の最下位で終え、ヴォルティスは1年でJ2に戻ることとなる。
個人的にも、当時は学生でアウェーにあまり行けず、J1での勝利の喜びを現地で味わうことは叶わなかった。
今振り返れば、当時はチームとしてもクラブとしても地域としても、J1という国内最高峰のリーグにふさわしいとは言い難かったのだと思う。
初めてのことに戸惑うことも多く、勢いで進んでいった先にはいろんな意味で見たこともない景色が広がっていた。
しかし、あの1年で得たものは大きかった。ゼロかイチかでは違う。
あのままではJ1で戦い続けることはできないと奮起したクラブが、クラブの理念を確立させた。
それをブレずに追求し貫き続け、今の「徳島スタイル」を築き上げた。
「徳島スタイル」
これまで積み上げてきた徳島スタイルは、次の3つだと捉えている。
・コレクティブでアグレッシブなサッカースタイル
・若手の成長を支え価値を高める強化方針
・チームのために一試合一試合戦うというマインド
まず、コレクティブ(組織的)でアグレッシブ(攻撃的)なサッカースタイルは、ボールを保持し自分たちからアクションを起こす主体的で魅力的なサッカーを志向する。
昨季の場合では、組織的にチームが連係するためどの選手が出ても再現性が高く、積み重ねるごとに強くなった。
次に強化方針としては、若い選手を獲得して徳島で成長してもらい価値を高め、時が来れば売ることも悪としない独自のスタイルを貫く。
多くの選手をJ1に個人昇格させ、踏み台にされて泣くこともあるが、選手たちは意味を持って徳島に移籍してくるのだろうと感じるようになった。
そしてマインドの部分は、昨シーズンJ2優勝できた大きな要因の一つ。全ての選手が「チームのために」という一心で自分のできる役割に向き合った。
前述の強化方針があるため選手の新陳代謝が激しいヴォルティスだが、めずらしく今季はほとんどの選手が残留してくれたことで、これまで積み上げてきたことが活かされるはずだ。
そこでは、今シーズンも5年連続キャプテンを務める岩尾憲選手が精神的支柱となるだろう。
この3つのスタイルが明確であることで、チーム全体で同じ方向に進める。
スタイルを信じることでブレずにひたむきに着実に前へ進む。
特に、このマインドと再現性のあるサッカーの親和性は高く、より統一感のあるスタイルになったのではないかと考えている。
今季は新しい監督となり、サッカーの中身は多かれ少かれ変わってくるだろう。
しかし、手段は変わっても、目指すものは変わらない。
どのようなサッカーを展開するのかも分からない状況だが、それでも私はヴォルティスを信じている。
多くの選手が残留してくれた理由も、このスタイルに価値を感じ、チームを信じているからではないかと勝手に思っている。
スタイルが確立され、J1で戦えるチームになったからこそJ1に帰還したのだ。
チームを信じる
二度目のJ1にあたって、自分の心持ちも前回とは大きく異なる。
開幕が楽しみな気持ちがもちろん大きいが、それだけでなく緊張、期待、不安…さまざまな感情が複雑に絡み合う。
思えば、昇格の際も前回のような喜びだけの感情ではなかった。
ようやく掴み取った達成感、選手たちの頑張りが報われた嬉しさと安堵、昇格に値するという自信、ヴォルティスに対する誇り。7年前とは感じるものが違う。
私にとって最も大きな違いは、チームを信じられるようになったことだろう。
あのチームがJ1で躍動するところを見たい。
どんな舞台であれ私に力を与えてくれるに違いない。
今シーズンも彼らを応援できることが幸せでしかない。
そして個人的には、チームのために尽力してきた岩尾憲がJ1で楽しんでプレーする姿を心待ちにしている。
いよいよ明日が開幕戦。
歴史に刻まれるシーズンとなるだろう。
私にできることは、チームを信じ続けること。
希望も絶望も、共に味わう覚悟はできている。