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周りと違う感性でもいいやん
10代の時、多くの周りの人達と同じものを好きななれなかった。
私が中学生のころヴィジュアル系バンドがはやっていた。もれなくクラスメイトも夢中になっている子が多かった。
私はというと全く興味が持てず、何がいいのかわからななかった。(ヴィジュアル系バンドがお好きな方ごめんなさい)
でも私は、ヴィジュアル系が好きじゃないとは言えなかった。正確には分からなかったのかもしれない。
当時はインターネットもまだ普及しておらず、そして私が生まれ育った故郷は地方の山間部。ド田舎だ。
流行りのものはテレビで流れる情報が主であり、当時の私は他に自分で情報を得る手段はなかった。
今これが流行っていいるんだから、私もそれを良いと思わないといけない。そんな感じで周りの子たちに話を合わせていた。
高校生になってからもそんな感じがつづいた。全くいいと思わないのに、ディズニーキャラクターやサンリオグッズをもってみたりしていた。Ayuの新曲がいいよね?と言われれば良いと思わなくても、そうだね。と返事した。(Ayuファンの方ごめんなさい)
ただ、高校生になると少し変化があった。私が通っていた高校は1学年約700人マンモスの高校。いろいろな中学校から生徒が集まってくる。
中学時代とはこの点に関しては大違いだった。中学は幼稚園からほとんどメンバーが変わらず、小学校、中学校と進学していった。
校舎と教員が変わるだけで、同級生は変わらない。過疎化が深刻な地方故、同級生は30人ほど。1つ下の学年なんて12人しかいなかった。もちろん高校も田舎には変わりないのだけれど、同級生が700人もいれば色々な人に出会った。
高校出会った新しい友人は、私が全く知らない文化をたくさん知っていた。そして私に教えてくれた。聞いたこともないような歌手のCDを貸してくれたり、家にドラムセットがあって毎日練習していることを教えてくれたり、家に滞在している留学生のスリランカ人と引き合わせてくれたり、ド田舎で生活していた私にはおとぎ話のような体験の数々だった。
テレビの中だけにしか文化がないように感じてしまっていた私は大きな扉を開けてもらったような感覚だった。
ただ、やはり大多数の周囲の女子は、キティーちゃんやディズニーが好き、テレビや雑誌の流行りを必死に追いかけている。自分とは違うとわかっていてもどうすればよいかわからなかった。
周囲の多数派と感性が違うのはわかったけれど、私は自分が好きなものが分からなかった。違う世界があることは新しい友人が教えてくれたけれど、扉の外の世界を自分でどのように歩けばいいかわからない。扉の前で立っていただけだった。そして、Ayuの新曲いいよね?と聞かれれば、そうだねと答えていた。
この時どうにかして、外の世界に歩みを進めていれば『私の好きなもの』をみつけていたのかな。もしかしたら今とは全く違う人生をおくっていたのではないのかと思うことがある。
今やインターネットでたくさんの情報が溢れている。実に便利な世の中だ。メカ音痴の私でも簡単に情報が手に入る。インターネットで『私の好きなもの』をたくさん発見できた。
大学進学や就職など環境の変化を経て、私と同じような趣味趣向のひとに出会うことがあった。とてもうれしかった。
私が10代を過ごした時代と今の時代は、全く情報の量やアクセスのしやすさが違うので、私のような10代はいないのかもしれないけど。もし、周りの友人たちと感性が合わなくて悩んでいる若者がいたら、是非励まして差し上げたい。
あなたと同じ匂いがする人は絶対どこかにいるよ。
周りに溢れるものに満たされるのもいいかもしれないけど、私はこの先も自分が深く愛せるものを探すことを楽しみたい。
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