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【海外子育て】ヨーロッパの多言語学習政策

小学校1年生になった息子は、9月からベルリン中心部にあるスペイン語とドイツ語のバイリンガルのEuropeschuleのに通っています。オイローパシューレと読みます。

Europaschuleとは、ヨーロッパ統合の理念のもとにヨーロッパの複数の言語学習を強化し、国際的な視野をはぐくむ教育システムの小学校です。現地の言語であるドイツ語で学ぶと同時に 英語、フランス語、スペイン語など他の言語でも授業が行われます。公立の学校になるので学費は通常の小学校と一緒で、比較的学域外からの申し込みが多く、日本の私立学校の受験ほどではないかもしれませんが、入学の倍率としては高いです。

申込の時点で息子は保育園もスペイン語とドイツ語のバイリンガル保育園に通っていたので日常会話は日本語とスペイン語で行っており、ドイツ語はなんとか言っていることはわかる、という感じでした。
オイローパシューレの入学にはテストがあります。簡単な知能テストと口頭試験です。入学してからはドイツ語とスペイン語のどちらが主要な学習言語かを選ぶので、その行きたい方向の言語でテストを受けます。

ほとんどの子供は両方の言語が話せますが、たまにドイツ語クラスを選んだ子で、スペイン語が話せない子がいます。そういう子は、1.もともとこの学域に住んでいてスペイン語を学びたかったわけじゃないけど自動的にここに入学した、2.親の意識が高く、スペイン語とは何の縁もない家庭だけどバイリンガルで育てたかった、という理由で入学したと考えられます。

面白いなーと思うのがそれぞれのクラスは子供の半分がドイツ語を第一言語としており、残りの半分がスペイン語を第一言語、というように一つのクラスの中に生徒が半々ずついることです。音楽や体育といった一般の科目は一緒に行い、国語や算数という科目は自分の第一言語で行うことになります。
先日クラスのクリスマスパーティーがあり両親も同席したのですが、子供たち全員スペイン語とドイツ語の両方の言語で歌を歌っていました。自然な感じで多言語を学ぶことができていてとってもいいシステムだなと思いました。

こんな感じなので担任の先生は各クラスに2人います。そしてアシスタントとしてスペイン語のチューターが各クラスに1人、学童の先生が1人、で子供が20人のクラスに専属の先生が4人と何とも贅沢な学習体制です。これを税金でまかなっちゃうんだからすごいよな、ほんと。

担任の先生によると、学校によっては担任1人ということが良くあるが、私はこの二人体制で密にやっていく教育体制がいいと思っているのでこの学校で教えているとのことです。そういう意味では他言語を話す先生と二人三脚でカリキュラムを組んでいくので、先生にオープンマインドが求められる教育体制だなと思います。嫌なパートナーに当たったら最悪かも笑。
1人の教師のワンマン授業になってしまう状況をけん制するので、そういう意味でも人間性を試されるやり方かもしれません。

入学に際してテストで言語に問題がないとされたのちは抽選なのですが、うちはラッキーなことに当選しました。他のご家庭では落ちたけどどうしても入りたくて弁護士を立てる、またはもう一年待つ、ということもあるようです。この辺の受験競争的なものは日本と変わらないかもしれません。

まだ入学したばかりなのでココが問題、というようなことは思いつきませんが、ドイツも日本と変わらず3年生くらいから内申点などを気にし始めるようです。ドイツはのびのび子育て~なんてイメージとはちょっと違うかもしれませんが、それでも塾カルチャーみたいなものはそこまで浸透していないと思います。でもこちらにも補修のプライベートスクールのようなものは存在します。

日本の小学校との比較なども面白いと思うので引き続き、このトピに関して書いていきたいと思います!

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